第478話

だが、今ならわかる。事実がどうであれ、彼が作り出した偽りの光景そのものが、彼女にとって、どれほど耐え難い苦痛であったか。

資格を失った今、ただニュースを見るだけで、これほど胸が張り裂けそうなのだ。

彼が優花と共に夢の国を訪れ、彼女を溺愛する姿を、ただ黙って見ていなければならなかった一葉が、あの時どれほどの痛みに耐えていたのか……想像することすら、恐ろしかった。

これまでずっと、二人の深い愛を盾に、何があっても離れることはないと信じて疑わなかった。

後に、自分の過ちがどれほど許されないものであったかに気づいてからも、自分こそがこの世で一番彼女を愛しているのだと、残りの人生をかけて償えばいいのだと、心のどこかで思い上がっていた。

今思えば、夢の国へ行くなどという、些細な約束さえ果たせなかった男が。それどころか、その夢を、彼女を傷つける刃に変えてしまった男が。

どうして、一番愛しているなどと言えたのだろう。

どうして、残りの人生で償えば、それが最大の贖罪になると信じられたのだろう。

そして、一体どんな権利があって、自分が過ちに気づき、償いたいと願えば、彼女がその痛みを手放さなければならないなどと思えたのか。

かつての自分にとっては些細なことであった、あのテーマパークの一件ですら、今思えば彼女への耐え難い仕打ちだったのだ。彼が犯した他の行いについては、もはや考えることすらできなかった。

自分は、本当に、万死に値する。

言吾は、ようやく、自分がどれほど取り返しのつかない過ちを犯したのかを悟った。ようやく、本当の意味で人を愛するとはどういうことかを理解した。だが、何もかもが、もう遅すぎた。あまりにも、遅すぎたのだ。

本港市……

旭は、手の中のスマートフォンに映し出された記事を、ただ凝視していた。そこには、叔父である慎也と、想い人である一葉の姿があった。スマートフォンを握りしめる手に、ミシミシと骨が軋むような音が聞こえそうなほど、凄まじい力が籠もる。

本当だったのだ。

これが、他の誰かであったなら。赤の他人であったなら、これほどまでに心が引き裂かれるような痛みを感じることはなかっただろう。

叔父さん、どうして……？どうして、あんたなんだよ！オレが、どれだけ一葉姉さんのことを好きだったか、知っていたはずだろ！

あんたは、知っていたはずなのに！旭の感