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Ep19:爆弾の謎 (真相への接近)

Author: ちばぢぃ
last update Last Updated: 2025-06-28 11:00:27

星見小学校の文化祭終了直後、星見キッズが発見した「校内に爆弾を設置した」と書かれた犯行文は、偽物と判明した。

しかし、図書室の黒い箱、「学校の心臓」と書かれた紙切れ、背の高い人影の映像が新たな謎を投げかけていた。ホールで待機する中、シュウたちは次の行動を決めた。

「偽物でも、犯行文と人影は脅しじゃない。S.M.の手がかりを追おう」

夕方5時15分、夕陽が校舎をオレンジ色に染める中、シュウとカナエは図書室に戻った。

黒い箱の周囲を詳しく調べると、箱の裏に小さな紙片が貼り付いていた。「『S.M.』って文字が!」シュウが懐中電灯で照らして確認した。

「S.M.? 誰かのイニシャル? 松本くんは『S.S.』だよね」カナエが目を丸くした。

「うん、別人だ。犯人の手がかりだと思う」シュウがノートに書き込み、紙片をビニール袋に入れた。

一方、ケンタとリナは2階の音楽室でピアノの下に伸びるコードを再調査していた。

リナがスケッチブックにコードの位置を書きながら言った。

「このコード、壁の裏に繋がってる。怪しいね」

「引き抜いてみようか?」ケンタが手を伸ばした。

「待って、危ない! 写真だけ撮って、警察に報告しよう」リナが慌てて止めた。ケンタがスマホで撮影し、シュウに連絡した。

「シュウ、音楽室のコード、壁に繋がってる! 何か隠れてるかも」

「分かった、触らないで。僕たちも図書室でS.M.の紙片を見つけた。体育館裏に移動するから合流しよう」シュウが電話で指示した。

タクミは技術室でカメラ映像をさらに解析していた。

4時40分頃、校舎裏に現れた背の高い人影が体育館裏に移動する瞬間を捉えた。

「シュウ、映像に進展! 人影が体育館裏に消えた。そこを調べたら何かあるかも」

「了解、タクミ
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