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第87話・期待

Auteur: 新矢識仁
last update Date de publication: 2025-11-24 13:16:01

 きょとんとした僕に、先輩はニッと笑った。

「長田先生は元々教師志望だったんだそうだ。コアを手に入れて、それが肉体強化系だと知って、身体を鍛えることに興味を持って。それを教えられたならと、思っていた古典教師じゃなくて体育教師の道を志したんだと。ところが先生の基礎中の基礎を理解してくれる生徒がいない。体育教師をやめてコア研究だけやっていようか、とか考えてたらしい。そこにお前が現れて、ラジオ体操連続にバカ真面目に付き合ってくれたから、そう言う生徒がいるんならまだ教師を続けようって思ったってさ。学園としてもほっとしてるんじゃないかな。一般授業は教師の資格持ってなきゃ教えられないことになってるけど、体育教師で、しかもあそこまで実績のある長田先生を外したら次がいないから」

 それだけ言い切って、先輩は軽く声を潜めた。

「お前、何回繰り返した」

「ラジオ体操第一ですか? 二十一回目でやっとOKもらえました」

「すげーな、お前。俺だって十八回でぶっ倒れかけたのに」

「昨日は筋肉痛で動けませんでした」

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