いやいや、僕だって一生懸命探したんだよ? 十五歳の朝、家族のおめでとうも言葉もそこそこに外に飛び出て、それまで気づかなかったコアの姿に興奮した。 色の強いコアに次々触った。 でも、コアは相性で決まるって言ったろ? ふにっという感触はしても、どれもこれも僕の中に入ってくるものはなかった。 もしかして、僕に合うコアはないのかと思い始めて、緑系コアを持つおばあちゃんが僕の誕生をお祝いして庭に植えたって言う木の根元に座り込んだ時。 むにゅ、とお尻に柔らかい感触。 あ、何か踏んだかな、って思って立ち上がろうとしたその時、ズボンの布地を、下着の布地を、そして皮膚をすり抜けて入ってくる。 両親や先に十五になった友達に散々聞かされた不思議な感覚。 まさか。 もしかして。 コア? 期待と、不安の入り混じった、この感触。 やがて、右手の甲が熱くなってきた。 宿ったコアは人間の皮膚のどこかに浮かび上がる。おばあちゃんは眉間だったし、父さんは左の太もも、母さんは右の鎖骨の上だった。 ……お尻じゃなくてよかったって思った。 右手に、発光しながらゆっくりとコアが浮かび上がってくる。 この光が落ち着くと、コアの色が定着し、めでたくコア定着完了、となる。 お尻で踏んだから色は分からない。どんな色だろう。 右手の甲に完全に浮かび上がったコアは、最後の光を出し終えて。 僕が希望した、何の色にもならなかった。 丸く浮かび上がるコアに、色はない。 ……って言うか……。 もしかして、ベージュ色? これ。 肌に紛れて色が分からない程、淡い淡いベージュ。 火の赤でも、空の青でも、木々の緑でもない、ベージュ色。 いや、色としては好きだよ? 無難だし、なんにでも合わせられるし。 だけどさ。 ベージュって色で何かすごい力を想像できる? ああ、これは友達に笑われる。「よりによってベージュかよ!」って笑われる明日が目に見える。 どうせならお尻に出れば見られずに済んだのに……と思って、悪友が見せてみろと制服のズボンを脱がそうとする構図が浮かんで、クラスメイトの前でお尻を出すよりはマシか、と、明後日の方向で自分に納得させようとしたけど、全部うまく行かなかった。 笑顔で待っていた家族は、しょぼくれた僕に不思議そうな顔をしたけど、コアの色を見てすぐに分かった。
Last Updated : 2025-11-20 Read more