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第三話

last update publish date: 2026-07-13 14:55:11

 さて、時刻は夜の11時。いつもなら解散の時間帯だが、明日は土曜日。つまり、これからが俺たちの時間だぁ!

 つい先程、琥竜の雄叫びクエストの調整メンテナンスも終わったので、ゲームにログイン。メンテ終わりをみんな待ってたので重い。

 五分ほど待ち、見慣れたプレイヤーホームにキャラが現れ、向こう側にメリィちゃんが現れた。直ぐにパーティを組んでからボイチャにする。

「あーあー……もしもーし?聞こえる?みぃくん」

「うん、感度良好」

 耳元からは、30分前まで喋っていた俺の好きな声。もうすぐメンテが終わるという通知を見て、通話を終えていた。

「さて……告知は何かな……お?」

「あっ」

 運営メッセージ欄のメンテナンスのお知らせの隣にある、告知の欄をクリックして、内容を見たら、思わず声が出る内容だった。

「……第五弾大型アップデートのお知らせ?」

「確か前回の大型アップデートが『新天地の発見』だったよね?」

 第四弾大型アップデートの『新天地の発見』は名前の通り、新しいマップが追加されると共に、新しいダンジョンや、新モンスター、レベルキャップ解放などの様々な物を俺たちスティックゲーマーの心をドキをムネムネさせた。

 当然、第五弾も期待が高まる。あ、琥竜の雄叫びはただのアップデートコンテンツだから大型ではない。

「……へー、新マップと新ダンジョンにレベルキャップ解放に……なにこれ?前日に発表?」

「ん?」

 新たなアップデートに期待に胸を馳せていた所、メリィちゃんが困惑した声を出した。下にスクロールしていくと、確かに『???』と表記されている。

 新コンテンツ『新たなる門出』は二週間後か。

「……やっべぇ。すっげぇ楽しみ……」

 心が震える。今までたくさんのゲームに手をつけてきたが、アップデートと聞くだけでこんなにも楽しみなのはスティックヒューマン・オンラインだけだ。

 さらに、レベルキャップ解放が宣言されたことで、余剰経験値というものが新たに追加される。

「よし!今日はやれる限りレベリングだー!」

「おー!」

 耳元でもメリィちゃんの楽しげな声が聞こえる。

 あ、ちなみにこの部屋は防音はしっかりとしてある。二年前に引っ越すにあたって土下座して頼み込んだからな!

「とりあえず、バランス調整された琥竜行こう」

「うん、頑張ろうね!みぃくん!」

 コマンドを押して転移の呪文を発動させ、フィールドに転移。キャラが登場すると同時に、この前ドロップした『琥竜の杖』が自動的に装備される。

「……いやーほんと、棒人間以外は力入ってるよな」

 一体なぜ棒人間にしたのか………いや、そういうコンセプトだから仕方ないと思うけど。

「ほんとだよね……棒人間じゃなくてもこれ絶対人気出てたよ」

「ほんと……もっと人気出てたよ」

 綺麗なグラフィック。ほとんどラグもなく、ストレスフリーで出来るゲームなんてこれ以外知らん。

「とりあえず、馬に乗って早く火山にいこ?」

「そうだな」

 ピー!と笛吹く音がすると、どこからともなくカッコイイ馬が現れる。そして、それに乗る棒人間――――だせぇ。

「………ねぇ、やっぱりこれ苦情いれない?」

「多分無理。俺も苦情入れたけどこればっかりは無視された」

「入れたんだ……」

 ほんと、どれだけ棒人間大事にしてるんだよ……いやまぁそういうコンセプトなんだけど!

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