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第6話

Author: リィワイ
勾留を解かれた後。

渉は、琴音と7年以上も一緒に暮らしたマンションの部屋へと帰ってきた。

しかし、7、8年も同棲していたはずのその部屋には、二人が共に過ごした痕跡が何一つ残されていなかった。

琴音は、すべてを引き払って出て行った。

壁に飾られていた二人の写真も、彼女がベランダで大切に育てていた鉢植えも。

そこにあるのは、ただの無機質な家具だけ。

ふと、ソファの隅にくしゃくしゃになって放置されているブランケットが目に留まる。

琴音がよくそれにくるまって、ソファでドラマを見たり、ゲームをしたりしていたのを思い出す。

ふざけ合った時、彼女はそのブランケットを渉の顔にバサッと被せ、ケラケラ笑いながら逃げ回ったっけ。

だが直後、渉は思い出した。

……あの日、莉愛がこのブランケットに足をくるみ、床に蹴り落としていたことを。

汚されたのだ。

彼と琴音の、あの無邪気で幸せだった思い出ごと、無惨に汚されてしまった。

ああ、琴音もきっと、そう思ったのだろう。

だからこれだけは、ゴミとして置いていったのだ。

渉は力なくブランケットを拾い上げると、そのままゴミ箱に放り捨てた。

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