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第 445 話

作者: 江上開花
夜の撮影がすべて終わったのは、深夜二時を回った頃だった。

衣装から私服に着替え終えたその時、外がにわかに騒がしくなった。

メイク室を出ると、副監督が手を叩きながら、撤収作業に追われるスタッフたちに向かって声を張り上げていた。「みんな、ちょっと手を止めてくれ!森野さんのご友人が差し入れに来てくださったぞ。全員にあるから、順番に受け取ってくれ!」

亜夕美は呆気にとられた。隣にいた菜実が首を傾げる。「え?どなたがいらしたんですか?私、何も聞いてませんけど」

通常、現場への差し入れは事前に本人やマネージャーに連絡があるものだ。監督たちに挨拶を通し、撮影の邪魔にならないよう配慮するのがマナーだからだ。

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