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第417話

Author: 一燈月
電話が床に落ちて鈍い音を立て、画面が砕け散った。

……

呼吸がようやく落ち着き、四肢にも少しずつ力が戻ってくる。小夜は圭介の腕から抜け出し、ゆっくりと立ち上がった。

圭介は床に座り込んだまま、動かない。

彼女もそれを気にする様子はなく、適当に椅子を引き寄せて腰を下ろした。まだ赤く跡の残る首筋を撫で、ポットからお湯を注いで喉を潤し、奥に残る焼け付くような痛みを和らげる。

もう十分だ。そろそろ本題に入ろう。

もうこれ以上、この男と感情を縺れ合わせるつもりはなかった。いっそ今夜のうちに全てをはっきりさせ、これからは縁を完全に断ち切る。

もう、これ以上傷つきたくない。

音楽はまだ甘く流れている。彼女はグラスを置き、圭介の方を見ずに、宙の一点をぼんやりと見つめながら静かに口を開いた。

「ねえ、長谷川」

口を開くと、声はひどく掠れていた。少し間を置いてから、小夜はまた続けた。

「あの古城に閉じ込められていた間、私はただベールで顔を隠して、喋らない人形になりきっていた。他人が満足するような役を演じ続けるしかなかったの。

古城の主は私の顔を見たがらなかったし、私の声も聞きたがら
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