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第963話

Author: 夜月 アヤメ
若子の姿は血まみれだった。

自分の血じゃない、それでも―あまりにも生々しくて、見ているだけで胸がえぐられそうだった。

修はすぐに若子をひょいと抱き上げた。

「ちょっ......なにしてるの!?私はここにいる、彼を待たなきゃ」

「若子、手術はまだまだかかる。だから、まず体を洗って、着替えて、きれいになって......それから待とう。もし彼が無事に目を覚ましたとき、君が血まみれのままだったら、きっと心配するよ?」

若子は唇を噛みしめて、小さく頷いた。

「......うん」

修は若子をVIP病室へと連れて行った。ちょうど空いていた部屋で、すぐに清潔な服を持ってこさせた。まだ届いていなかったけれど―

若子はずっと泣き続けていた。

修は洗面台の前で、そっと後ろから若子を抱きしめるように支え、水を出しながらタオルを濡らして、彼女の手や顔を丁寧に拭っていく。

「いい子だから、じっとしてて。血、すぐ落ちるから」

「修......あんなに血が......彼の血、全部流れちゃったんじゃないの......?」

まるで迷子の子どものように、若子は震えていた。

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Comments (4)
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patora
若子、修を選びましたね。 無事手術が終ってヴィンセントの命 助かりますように! ヴィンセントの手術待合い時間にでも 暁ちゃんが修の子供である事、 お互いの本心を包み隠さず話せるといいな。 西也は暁ちゃんを人質扱いになっちゃうかな?
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加奈子
侑子最初は良いかと思ったけれど、段々と西也の女版になってきて苦手です。 西也がどんどん腹黒の嫌な人になってきて、若子の事も愛よりはただの執着。修に勝ちたい。有利になりたい。ただそれだけ。修の方が愛を感じます。 両思いなのだから、早く元サヤに戻って欲しいです。 西也はそろそろ退場で良い気が… 子供も若子だけの子供では無いのだから、修に伝える義務があると思います。 自己完結して子供から父親を奪わないで。幾ら母親でも子供から父親を奪う権利は無い筈。
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barairose88
今回、少しだけ溜飲が下がりました。 若子!高ぶる感情の中でも冷静に状況を判断出来ていたのですね。 修はこの一連の流れで、もともとあった侑子と若子に対する気持ちの違いを明確に整理出来たのでは、と思います。 今後は情にほだされず、意地にならずに、時には非情でも真実の思いを大切にして欲しいです。 腹黒い西也の綻びはだんだん大きくなりますね〜当然です!
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