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第2話

Auteur: 仮名
助手席にあった使い捨てゴムに吐き気を覚え、思わずえずいてしまった。

それを車外に投げ捨てると、足元のマットに光るものが見えた。拾い上げてみると、それはイヤリングだった。

胸が冷たく締め付けられる。

それがあの女性のものだということは明らかだった。

震える手でそのイヤリングをバッグにしまい、顔から血の気が引いた。

そのとき、車のドアが開き、航生がスイーツの入った箱を手に笑顔で近づいてきた。

「ほら、君の大好きなスイーツだよ。これ、カフェで優絵乃と一緒に食べて」

私は彼をじっと見つめ、必死に涙をこらえた。

聞くべきか?

問い詰めるべきか?

それとも、いっそすべてをぶちまけるべきか?

質問が何度も口の中を巡ったが、結局、私はそれを飲み込んだ。

聞く勇気がなかった。答えを知るのが怖かった。

私の様子がおかしいことに気づいたのか、航生は心配そうに私の髪を撫でた。

「どうした?気分が悪いのか?病院に行こうか?」

長い沈黙のあと、私はかすかに首を横に振った。

「優絵乃のところに行こう」

今はただ、優絵乃に会いたかった。彼女のそばでなければ呼吸ができなかった。

優絵乃は幼い頃からの親友だ。私たちのすべてを知っている。彼女は私のためにこの街に引っ越してきてくれた。

航生との仲がうまくいかないとき、私はいつも優絵乃の家に行った。彼女は私と一緒にお酒を飲み、映画を見て、深夜まで私を抱きしめて慰めてくれた。

「こんなとき、南波のそばにいるためにここに来て本当に良かったって思うんだ。南波が頼れる人がいなかったら、きっと自分を許せなかったの」

優絵乃は親友であり、幼馴染でもあり、この街での唯一の家族だった。

だからこそ、今の私は優絵乃以外に助けを求める相手がいなかった。

航生は少し疑問を抱いていたようだが、それでも私をカフェまで送ってくれた。

「優絵乃とゆっくり話して、後で迎えに来るよ」

私は慌てて首を振った。

「いいの、今日は優絵乃の家に泊まる」

そう言い残して車を降り、振り返ることなくカフェへ駆け込んだ。

遠くに、優絵乃が隅の席に座っているのが見えた。

私はもう涙を抑えきれなかった。頬を伝う涙を拭うこともできず、嗚咽交じりに声をあげた。

「優絵乃、優絵乃!」

優絵乃は私を見るなりすぐに立ち上がった。もともと満面の笑みだった彼女の表情は、私の涙を見た途端に一気に沈んだ。

「南波、どうしたの?何があったの?」

「泣かないで、もう大丈夫だよ、私がいるから!」

私は優絵乃の手を握りしめ、涙をこらえながらしゃくり上げ、息も絶え絶えで、ほとんど言葉にならなかった。

「私……航生が……」

しかし、一言も言い終わらないうちに、私は優絵乃の耳に目を奪われた。

優絵乃の左耳には片方だけイヤリングがついていて、反対側のイヤリングはいつの間にか消えていた。

そして彼女の左耳のイヤリングは、私にとって見覚えがありすぎるものだった。

というのも、もう片方が今、私のバッグの中に静かに横たわっているからだ。

耳鳴りがした。周囲の音が完全に消え去った。

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