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第1053話

Author: かおる
忠が朝陽を見て尋ねた。

「明日香の怪我は、いつ頃回復する?」

朝陽は答える。

「兄の見立てでは、二週間ほどだ」

その言葉に、忠と翔は同時に安堵の表情を浮かべた。

だが、その時、明日香が口を開いた。

「それじゃ、だめ」

一同が彼女を見る。

青白い顔には、揺るがぬ意志が宿っていた。

「来週から、私は雲井グループで働き始めるの。

仕事を遅らせたくない」

怜央が眉をひそめる。

「仕事くらい、一週間遅れても問題ないだろう。

成果が必要なら、俺が案件をいくつか回す」

朝陽も譲らない。

「明日香、安心して療養しろ。

人脈やリソースの問題は心配いらない」

忠と翔も、そろって頷いた。

二人が明日香に与えられるものは、朝陽や怜央に決して劣らない。

それでも、明日香は首を振った。

「いいえ。

自分の力でやりたいの」

皆がなおも説得しようとしたが、明日香は話題を変えた。

「怜央さん、優芽利が拉致されたと聞きました。

もう見つかったの?」

怜央の目が沈む。

その時になって、ようやく優芽利のことを思い出したようだった。

「......まだだ。

捜索中だ」

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