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第 354 話

Auteur: 水原信
州平が疑いを深めれば深めるほど、海咲の胸はざわついた。

彼女は思わず拳を握りしめ、取り繕うように言った。

「両親は私が蟹好きなのを知ってるから、帰るたびに作ってくれるの。でも、さすがに飽きるでしょ。今日はあまり食べたい気分じゃなかったの。それにしても、どうして急に私の食事のことなんて気にするの?」

州平は顔を上げ、そっと彼女のこめかみの髪を撫でつけた。

「別に。ただ最近、君が少し変わった気がして。……何もないならいい」

そして、低い声で続けた。

「でも……海咲、俺に隠し事はしないでほしい」

差し伸べられた手が、優しく彼女に触れる。心配しているように見える仕草なのに、口から出るのは疑念を含んだ言
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Commentaires (1)
goodnovel comment avatar
YOKO
確かに。美音と玲奈と比べても今迄海咲さんには彼からの対応は酷かったから。
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