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第 435 話

作者: 水原信
海咲は振り返った。

すると、夢瑶が怒りに震えながら向かってきて、何も言わずにいきなり平手打ちをしようとした。

だが海咲は、それを予想していたかのように素早く反応し、彼女の手をがっちりと掴んだ。

夢瑶は腕を振りほどこうとしながら罵った。

「このあばずれ、私をハメたな!油断してる間に後ろ盾まで見つけて、物資の寄付まで取り付けて、あんたのくだらない企画まで編集長に気に入られて、なんでよ!なんで私の立場を奪えるのよ!」

今の彼女が福祉施設に手を出せば、自分の首を絞めるだけだ。

局が知れば即クビになる。

それに、今の海咲には庇ってくれる人間がいる。敵に回せば、自分がテレビ局で立場を失うのは目に見えていた
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