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第 303 話

Author: 水原信
葉野悟はこれを聞いて、すぐに期待を込めて言った。「私たちは艶色の409号室にいるから、早く来てね。私は今夜当番だから、先に行きます」

「......わかりました」

葉野悟が当番だと話していなかったとしても、電話が彼女にかかってきた以上、海咲は州平を放っておくわけにはいかなかった。

悟が電話を切ると、彼は州平のポケットにスマートフォンを戻し、保井晏と浅川尚年に一瞥を送った。三人はそのまま退場した。

しかし、彼らが去った直後、州平は目を開けた。

彼の深い黒い瞳には、酔っている様子はまったく見えなかった。

海咲は艶色に到着するまでに1時間かかった。

会社から艶色までタクシーを利用したが、道が混んでい
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