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第 1349 話

Auteur: 水原信
梨花の腹部は平らだった。

「少し前に太っててさ、お腹に少し脂肪がついてたの。それに妊娠もあって、そこまで目立ってなかったけど、ほんの少し膨らんでたの。……でも今は、見ての通り、何もない」

ぜい肉もない。もちろん、子どもも。

海咲は、まるで雷に打たれたように呆然とした。

かろうじて声を絞り出す。

「……赤ちゃん……いなくなったの?」

母親にとって、これ以上の苦しみはない。

海咲は知っていた。梨花がどれだけこの子を楽しみにしていたかを。

自分も母親である彼女には、その喪失の痛みが骨の髄まで理解できた。

この瞬間、どんな言葉も虚しく響くだけだった。慰める言葉は、彼女の心の空白を埋めるにはあまりにも無
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