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焦らなくていい

Author: 影畑凛星
last update publish date: 2026-08-04 10:18:47

 電話を切ったあとも、美月はしばらくスマートフォンを見つめていた。

 離婚には応じない。

 予想していたとはいえ、その言葉は思っていた以上に重かった。

「……長くなるのかな」

 思わず漏れた声だった。

 リビングには静かな空気が流れる。

 しばらくして、蒼真が温かい紅茶をテーブルへ置いた。

「ありがとうございます」

 美月はカップを両手で包み込む。

 ほんのりとした温もりが、少しだけ緊張を和らげてくれた。

「不安ですか」

 蒼真が静かに尋ねる。

 美月は苦笑する。

「はい」

「正直、もっとすんなり終わるものだと思っていました」

「でも、そんなに簡単じゃないんですね」

 蒼真は少し間を置いてから口を開いた。

「簡単に終わることばかりではありません」

「ですが、焦る必要もありません」

 美月は顔

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