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第1080話

作者:
激しい不安が胸に押し寄せた。

静奈は足早に近づいた。

「どうしてこんなに血が出てるの?あなた、怪我したの?どこを怪我したの?早く見せて!」

湊は喉仏を微かに上下させ、一瞬言葉に詰まり、どう言い訳すればいいのか分からなかった。

この危機一髪の瞬間、後ろにいたアシスタントが機転を利かせ、こっそりと一枚のガーゼを引っ張り、素早く自分の指に巻きつけた。

彼は慌てて笑顔を作り、前に出てその場を取り繕った。

「朝霧様、誤解です。この血は社長のものではありません。私のです。

今朝会社に着いてから、私が社長の代わりにフルーツの皮を剥こうとしたんですが、手元が狂って指を少し切っちゃたんです。傷が少し深くて血がたくさん出たので、社長が心配してわざわざ病院まで付き添ってくださったんです」

静奈は半信半疑で湊を見た。

湊は心の波立ちを素早く抑え込み、軽く頷いて話を合わせた。

「ああ、怪我をしたのは彼の方だ」

静奈は彼に特に変わった様子がないのを確認し、さらにアシスタントが包帯を巻いた指を見せているのを見て、心の中の疑念は少し薄らいだ。

「てっきりあなたが怪我をしたのかと思って、本当にび
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