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第377話

Auteur: 浮島
蒼空はもう一度同じことを繰り返した。

すると大道はハッと気づいたように、「い、いや、いい!今すぐ数学を見てあげる。他の科目は他の先生が授業終わってからだ。もうすぐ終わるし」と言った。

蒼空は肘をつき、顎を乗せながら、大道が赤ペンで一つ一つ彼女の答えを直していくのを眺めていた。

全部チェックマークがついていき、間違いは一つもない。

それは蒼空の予想通りで、彼女は別に驚きもしなかった。

手元の完全に正しい解法と答えを見て、大道はようやく蒼空の実力が本物だと確信した。

彼は数学教師で、他の科目には詳しくない。

だが蒼空が書いた他科目の答えを見ても、どう考えても正解にしか見えなかった。

じわじわと胸の奥から喜びが湧き上がってくる。

蒼空を見つめる彼の表情は、どんどん嬉しそうになっていった。

世の中には本当に「棚からぼた餅」ということがあるらしい。

優秀な生徒が、なんの苦労もなく自分の手元に転がり込んできたのだ。

それも、学校が大金払って招いた生徒より成績が良いかもしれない相手が!

これは現実だ。

もし蒼空が本当にこの学校の生徒として大会に出れば、きっと学校の受験成績は華々しく飾られるだろう。

うまくいけば、大学入試のトップも手に入るかもしれない。

――そんな妄想を一切表に出さず、大道の顔は真面目そのもの。

生徒が目の前にいるのだから、教師としてきちんとしなければ、と自分を律しているのだ。

蒼空は、彼の表情が一瞬高揚し、一瞬真面目になり、また口元がどうしても抑えきれず震えながら上がってしまい、結局ニヤッと笑い出すのを見ていた。

まるで顔の筋肉が痙攣しているみたいだ。

蒼空「?」

何度もぴくぴく動く口元と変わる表情を見て、蒼空は言った。

「先生の顔、痙攣してるんですけど......」

大道は一瞬で固まり、蒼空を睨んだ。

「何を言ってるんだ」

蒼空はそっぽを向いて、それ以上何も言わなかった。

チャイムが鳴り、他の先生たちも次々とやってきた。

蒼空は椅子に座ったまま、静かに数人の先生がそれぞれの表情で答案を直すのを眺めていた。

大道が近づき、小声で尋ねた。

「どうだった?」

蒼空は耳を澄ませ、「全問正解」という言葉を聞き、眉をわずかに上げた。

数人の先生が採点を終えたのを確認し、大道は戻ってきた。

彼は机の後ろに立ち、
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