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第425話

Author: 浮島
後になって小春は思うのだが、あの時の自分はきっと想像もしていなかっただろう。

蒼空が「起業しよう」と言った時の、あの自信に満ちて少し傲慢な笑みを、こんなにも長く、こんなにも深く、心に刻むことになるなんて。

気がつけば、もう五年が過ぎていた。

蒼空が布団の中で目を覚ました瞬間、遥樹に腕をつかまれ、その手にはすでに歯磨き粉がつけられた歯ブラシが押し込まれた。

「あのさ、早く起きてよ!」

蒼空はまだ目も開かないまま、遥樹に半ば引きずられるようにして洗面所に連れていかれ、歯ブラシを口の中に押し込まれた。

「俺に何を約束したか忘れたの?」

遥樹は歯ぎしりしながら言う。

「目覚ませよ、もう遅刻寸前なんだぞ」

蒼空は目を閉じたまま歯を磨き、口に泡をためながら曖昧に答える。

「わかってるから急かさないで。ちゃんと時間わかってる」

遥樹は飛び上がりそうになり、年々端正になった眉目がさらに険しくなる。

「お前の『わかってる』って、約束の一時間前に起きることか?もう少し遅かったら完全に遅刻だったぞ!」

蒼空はうんざりしたように目を開け、鏡越しに遥樹をにらむ。

「うるさい。私がこん
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