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第133話

Author: つき酔
壇将は莉奈の正面に立った。両手を背中で組んでいる。全身を黒で固めた姿は、広い肩幅と長い脚をいっそう際立たせていた。

彼は莉奈に顎を軽く上げ、莉奈はすぐに理解した。先に打ち込んでこい、という合図だ。莉奈の基礎を見ようとしている。

三秒後、廷治は見ていられなくなり、そっと顔をそむけた。

勢いよく飛び込んだ莉奈の体は、虚しく空を切った。そのまま床に倒れ込みそうになった瞬間、力強い手が莉奈の腕をつかむ。

壇将は莉奈をしっかり引き上げ、床に倒れ込む寸前で立たせた。

莉奈の顔が、恥ずかしさで赤くなる。けれど、その瞳はかえってきらきらと潤み、負けん気に光った。

「もう一回お願いします!」

向かいの男は、相変わらず両手を背中に回したままだ。あまりにも屈辱的だった。

莉奈の闘志に、一瞬で火がついた。気合いを入れるように声を上げ、表情を引き締める。両手を拳にして、壇将へ向かって突っ込んだ。

壇将は、指を一本だけ伸ばした。

その指先が、いとも簡単に莉奈の額を押さえる。

身長差に加え、額に当てられたその一本の指が妙に強い。莉奈の拳は、壇将の服の端にすら届かなかった。

莉奈は固まった。

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