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第27話

作者: つき酔
莉奈はうなずき、病室を後にした。

エレベーターの扉が閉まった瞬間、美月は付き添いの女性に押されて角から現れた。彼女はエレベーターの赤い数字の変化をじっと見つめ、何かを考えているようだ。

病院を出た後、莉奈は目的もなく車を走らせた。

実のところ、海外駐在の件で教授に頼む必要はなかった。

椎名家でも、佐伯家でも、この件は助けてくれるだろう。

何しろ東安市、いや全国的に見ても、多くの分野で椎名家と佐伯家の意向が通る。

千鶴が出てきてくれれば、すんなり解決するだろう。だが、千鶴に知られたくはなかった。もし知ったら、必ず止められるに決まっている。

年を重ねた千鶴は、そんな刺激にはもう耐えられない。

離婚の話さえ、どう切り出せばいいかわからないのに。

直哉も無理だ。あの人は、あの場所に行くことを認めてくれない。場合によっては絶交まで持ち出す。あの人はすぐに絶交をちらつかせるのだ。

ただ黙っていれば、時が来れば自然に誰も自分を止められなくなる。

二か月の時間。

承也がどれくらいで返事をくれるかはわからない。役所で手続きを始めたとしても、書類が受理されてすべて終わるまでには三十
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