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第356話

Author: つき酔
莉奈はもうひどく酔っていた。承也に腰を抱えられて横抱きにされると、頭を力なく彼の胸にもたせかけた。

承也は莉奈を抱きしめたままテラスを離れ、階段を下りていった。

階下では、使用人たちがすでに待っていた。

ヘリコプターの音を聞いて、使用人たちは承也がまた莉奈を連れてこの島を離れるのだと悟っていた。

二人が去ったあと、使用人たちも島を離れることになっていた。ただし定期的にここへ戻り、屋敷を掃除し、島の花や草木の手入れをするのだった。

それから、莉奈が一番気に入っていたあの湖も。

この数年、ずっとそうしてきたのだ。

「社長」

使用人たちの声がそろった。

承也は腕の中の莉奈を抱きしめたまま、落ち着いた足取りで進んだ。莉奈は少しの揺れも感じていないようで、まるでベッドで眠っているかのように安らかだった。

洋館を出ると、月明かりが二人に降り注いだ。海風が吹き、花の香りを幾度も運んできた。

島に植えられていたのは、どれも貴重な香料花ばかりだった。もし莉奈が注意深く香りを確かめていたなら、昼に使ったあの香水の中にある匂いだと気づけたはずだった。

承也は莉奈を抱き、ヘリコプターの
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