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彼の思い出の味

Author: るな
last update publish date: 2026-08-16 17:18:34

私は寝室のベッドに横になった。広すぎるベッドに一人で眠るのは寂しい。さっきまで一緒に居たのに、もう桐生のことが恋しい。会いたい。でも、桐生は忙しいひと。私の我儘を押し付けるわけにはいかない。

私は目を閉じた。すると、あろう事か昨夜の桐生との営みばかり頭に浮かんできた。私はどうしてしまったのだろう。今すぐ桐生に触れて欲しくて、身体が疼きだした。私は身体を鎮めるために、深呼吸をした。いつの間に、私は桐生が居ないとだめな身体になってしまったのだろう。

「だめだ、眠れない……」

あんなに眠かったはずなのに、すっかり眠気が覚めてしまった。私は起き上がり、リビングへ向かった。

「おはようございます」

「おはようございます。桜井様、まだ休まれていいのですよ?」

「少し横になったら楽になったので大丈夫です」

「それは良かった」

木村は私に微笑んだ。木村の笑顔を見ると、なぜか懐かしさを感じた。

「あの、木村さんにお伺いしたいことがあるのですがよろしいですか?」

「はい。もちろんです」

「翼さんが好きな料理を教えてくれますか?」

桐生は私の料理を美味しいと食べてくれる。桐生と食卓を囲む時間は私にとって特
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