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第6話

Author: こぼれ桜
慧は、従業員たちから未払い賃金の支払いを迫られるだけでなく、母親や親族からも責め立てられていた。

そのうえ、莉子がしつこくつきまとってくることも、彼をますます苛立たせていた。

ある日、慧は会社の厄介事をどうにか片づけ、家に帰ってゆっくり眠ろうとしていた。

ところが寝室に入ると、莉子が彼のベッドに潜り込んでいた。

慧に自分と結婚する気がないと悟った莉子は、無理やり関係を持たれたと警察に被害を訴えた。

莉子は周到に準備していた。

これまで人目を忍んで慧と会っていたことを、すべて警察に打ち明けたのだ。

以前、慧に無断で撮影していた親密な動画も、自分の主張を裏づける資料として警察に提出した。

慧は莉子に示談を持ちかけた。

だが莉子は、自分と結婚しないかぎり、絶対に応じないと言い張った。

莉子と結婚して示談を成立させるか、このまま刑事事件として捜査を受け続けるか。

慧は、莉子との結婚を選んだ。

莉子は念願どおり慧の妻になったが、慧が彼女に抱いているのは、もはや憎しみだけだった。

莉子さえいなければ、美咲が自分のもとを去ることも、会社が倒産寸前まで追い込まれることもなかっ
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    私は雅臣と手を取り合い、報道陣の前でそつのない受け答えをしていた。「一条美咲!自分は橘雅臣と結婚しているくせに、どうしてまだ私の夫を奪おうとするのよ!」やつれた体を引きずるようにして、莉子が記者会見の会場へ強引に乗り込んできた。「全部あなたのせいよ!慧くんが私と離婚しようとしてるの。この会見、生中継なんでしょう?一条家のお嬢様がどれだけ恥知らずな女なのか、みんなに見てもらうわ!」莉子は勝ち誇ったように笑った。私も笑みを浮かべた。相変わらず、莉子は驚くほど浅はかだ。なぜ誰にも止められず、ここまで入ってこられたのか、少しも疑問に思わなかったらしい。私はあらかじめ用意しておいた資料を、会場のスクリーンに映し出した。最初に表示されたのは、私が莉子の留学費用を援助していたことを証明する送金記録だった。続いて、私と慧が交際していた頃、莉子が慧と一緒にいる様子を投稿した記録や、私だけに送りつけてきた挑発的な写真が次々と映し出された。さらに、私が雅臣と入籍したあとに慧から送られてきた、謝罪のメッセージも公開した。「私が捨てたごみをそんなに気に入ったのなら、きちんとつないでおいて。二度と外に出して、ほかの人に迷惑をかけさせないでね」次々と突きつけられる証拠を前に、莉子の顔からみるみる血の気が引いていった。やがて彼女は、雅臣へ矛先を向けた。「橘社長、奥さんは今でも元恋人と連絡を取ってるんですよ。妻に裏切られている気分はどうですか?」雅臣は私に穏やかな笑みを向けた。「美咲にどんな過去があろうと、俺たちの未来には何の関係もありません。それから、あなたと桐生さんによる度重なる嫌がらせで、美咲の生活は深刻な被害を受けています。今後は、俺の弁護士を通して対応させていただきます。相沢さん、もうお引き取りください」莉子は警備員によって会場から連れ出された。生中継中に騒動が起きたことで、配信の視聴者数は一気に跳ね上がった。私と雅臣は顔を見合わせ、静かに笑みを交わした。その後、私たちは予定どおり正式な結婚式を挙げた。雅臣は式の準備に並々ならぬ力を注ぎ、国内でも名の知れたウェディングプランナーに演出を依頼し、親族や友人だけでなく、親しい取引先の関係者まで招待していた。大勢の祝福に包まれ、式は始まった。私と雅臣が

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