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第7話

Author: ASAMI
last update Petsa ng paglalathala: 2026-09-15 06:59:45

「今夜は……帰す気はないぞ」

耳元で囁かれた低く掠れた声が、紬の鼓動を狂わせるように強く響いた。

葵の回された腕にぐっと力が込められ、逃げ場のない抱擁の中で二人の体温が深く重なり合っていく。

「あ、葵……さん……っ」

あまりの熱量に驚き、胸元に手を当てて離れようとした瞬間、葵の長くしなやかな指先が紬の細い顎をすっと掬い上げた。

否応なしに視線が交差する。

前髪の隙間から覗く葵の黒瞳は、これまで社内や執務室で見せていた氷のような冷徹さとはまるで違い、どこまでも深く、甘く狂気じみた熱を帯びていた。

「もう『さん』付けも要らん。……俺の名を呼べ」

「っ……葵……」

震える声でその名を口にした途端、葵の薄い唇が紬の唇を強引に塞いだ。

「ん……っ!?」

重なる唇の熱さに紬の瞳が大きく見開かれる。

柔らかく、けれど容ズルさのない深く激しい口づけ。

口腔を甘く侵食していく葵の熱い吐息と、彼が身に纏う高級なウッディの香りが紬の思考を完全に麻痺させていった。

一度離れた唇が、息をつく間もなく再び深く密着する。

じち、と甘い水音が静かなリビングの空間に響き渡り、紬の頭の中は真っ白に染まっていく。

逃げる
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