完璧社長の過剰な執着~隠れ優秀秘書は、二人のハイスペに奪い尽くされる~

完璧社長の過剰な執着~隠れ優秀秘書は、二人のハイスペに奪い尽くされる~

last updateLast Updated : 2026-09-14
By:  ASAMIUpdated just now
Language: Japanese
goodnovel4goodnovel
Not enough ratings
4Chapters
8views
Read
Add to library

Share:  

Report
Overview
Catalog
SCAN CODE TO READ ON APP

​「逃げられると思うな? お前は俺のものだ」 ​大手商社で「無能」を演じ、目立たず生きる地味秘書の紬。しかしある夜、社の危機を裏で救った秘密を、冷徹無比な次期社長・葵に見抜かれてしまう。 ​翌日、紬を待っていたのは社長専属秘書への異動命令。他人に心を開かない葵は、二人きりになると強烈な独占欲を露わにし、甘く過保護に溺愛し始めて……!? ​さらに葵の宿敵で、色気漂うライバル会社の若き役員・蓮まで登場。 「あんな奴やめて、俺に来なよ」 強引に奪いに来る蓮と、執着を深める葵。 ​最高にハイスペックな二人から攻め立てられる、逃げ場ゼロの濃厚三角関係ラブ!

View More

Chapter 1

第1話

「藤咲さん、また頼めるかしら? このデータの突合と、明日の会議資料の印刷。急ぎなんだけど……」

「あ、はい。わかりました。すぐに取りかかります」

午後八時、静まり返った営業三課のフロアで、藤咲紬《ふじさき つむぎ》は控えめに微笑みながら先輩社員からの頼みを引き受けた。

大きな丸メガネに、ぼっさりとした前髪。

体をすっぽり覆うような地味なグレーのカーディガン。

それが会社での紬のスタイルだ。

社内での評価は「真面目だが要領が悪い、地味なアシスタント」。

だが、それこそが彼女の狙いだった。

過去の苦い経験から、目立つことは百害あって一利なしと学んだ。

だからこそ、能ある鷹は徹底的に爪を隠す。

頼まれた雑務をのろのろとこなしているように見せかけつつ、裏では完璧な精度と圧倒的なスピードで片付ける――それが、紬の日常だった。

「じゃあ、お先に失礼するわね。よろしく!」

先輩社員が去り、フロアにぽつりと一人取り残される。

紬はふうっと息を吐くと、丸メガネを少し押し上げた。

「さて……チャチャッと終わらせて帰りましょうか」

先ほど頼まれた大量のデータファイルを開き、キーボードの上に指を走らせる。

パパパパン、と軽快な打鍵音が無人のオフィスに響き渡った。

画面上の数式と膨大な数字が、瞬く間に処理されていく。

誰にも気づかれない、紬だけの「本気」の時間だった。

作業開始からわずか十分。

数時間はかかるはずの突合業務を完璧に終わらせ、プリントアウトの指示を出したときだった。

「――ずいぶんと素早い手際だな、藤咲」

「……っ!?」

突然、背後から低く響く掠れた声が聞こえ、紬の背筋に冷たい電流が走った。

驚いて振り返ると、そこには一人の男が立っていた。

隙のない仕立ての高級スーツに、鋭い切れ長の瞳。

彫刻のように整った容姿を持ちながら、氷のような冷徹さを纏う男。

大手総合商社『鷹司グループ』の若き次期社長、鷹司葵《たかつかさ あおい》だった。

社内の誰もが恐れる最高幹部が、なぜこんな時間に平社員のフロアにいるのか。

「た、鷹司副社長……? なぜ、こちらに……」

慌てて立ち上がり、頭を下げようとした紬だったが、葵は静かな歩調で距離を詰めてきた。

高級なウッディノートの香水の香りが、瞬く間に紬の鼻腔をくすぐる。

葵はパソコンの画面に一瞥を投じると、薄い唇の端をわずかに押し上げた。

「システム部すら手を焼いていた国際財務の旧式データ突合を、たった十分で完璧に仕上げたのか。……しかも、マクロを自作して自動化した上で」

「え……あ、違います! これは、その、たまたまネットで見つけたツールを……」

慌てて弁明しようとする紬の顎を、葵の長い指先が細く捉えた。

強引に顔を上げさせられ、至近距離でその深淵のような黒瞳と視線がぶつかり合う。

「誤魔化すな。俺の目は誤魔化せない」

低く、逃げ場を塞ぐような声。

葵の指先が紬の頬をかすめ、大きな丸メガネをすっと指で持ち上げた。

前髪の隙間から、紬の素顔――誰も見たことがない、吸い込まれそうなほど澄んだ瞳と繊細な素肌が露わになる。

「……やっぱりな。こんな隠し玉が、うちの営業三課に転がっていたとは」

「な、何を……っ」

心臓が早鐘のように打つ。

葵の体温が密着した胸元から伝わってきて、息が詰まりそうだった。

冷酷非道で女嫌いと噂される男が、なぜこれほど至近距離で自分を見つめているのか。

「能ある鷹は爪を隠す……か。だが、俺に見つかったのが運の尽きだ」

葵は耳元に顔を寄せ、熱い吐息を吹きかけるように囁いた。

「明日から、社長室に来い。お前を俺の専属秘書にする」

「え……っ? 専属、秘書……!?」

「拒否権はない。――逃げられると思うなよ、藤咲紬」

耳朶を掠める甘い毒のような声に、紬の全身が固まる。

それが、完璧すぎる冷徹社長による、逃げ場のない狂愛の始まりだった――。

Expand
Next Chapter
Download

Latest chapter

More Chapters
No Comments
4 Chapters
第1話
「藤咲さん、また頼めるかしら? このデータの突合と、明日の会議資料の印刷。急ぎなんだけど……」「あ、はい。わかりました。すぐに取りかかります」午後八時、静まり返った営業三課のフロアで、藤咲紬《ふじさき つむぎ》は控えめに微笑みながら先輩社員からの頼みを引き受けた。大きな丸メガネに、ぼっさりとした前髪。体をすっぽり覆うような地味なグレーのカーディガン。それが会社での紬のスタイルだ。社内での評価は「真面目だが要領が悪い、地味なアシスタント」。だが、それこそが彼女の狙いだった。過去の苦い経験から、目立つことは百害あって一利なしと学んだ。だからこそ、能ある鷹は徹底的に爪を隠す。頼まれた雑務をのろのろとこなしているように見せかけつつ、裏では完璧な精度と圧倒的なスピードで片付ける――それが、紬の日常だった。「じゃあ、お先に失礼するわね。よろしく!」先輩社員が去り、フロアにぽつりと一人取り残される。紬はふうっと息を吐くと、丸メガネを少し押し上げた。「さて……チャチャッと終わらせて帰りましょうか」先ほど頼まれた大量のデータファイルを開き、キーボードの上に指を走らせる。パパパパン、と軽快な打鍵音が無人のオフィスに響き渡った。画面上の数式と膨大な数字が、瞬く間に処理されていく。誰にも気づかれない、紬だけの「本気」の時間だった。作業開始からわずか十分。数時間はかかるはずの突合業務を完璧に終わらせ、プリントアウトの指示を出したときだった。「――ずいぶんと素早い手際だな、藤咲」「……っ!?」突然、背後から低く響く掠れた声が聞こえ、紬の背筋に冷たい電流が走った。驚いて振り返ると、そこには一人の男が立っていた。隙のない仕立ての高級スーツに、鋭い切れ長の瞳。彫刻のように整った容姿を持ちながら、氷のような冷徹さを纏う男。大手総合商社『鷹司グループ』の若き次期社長、鷹司葵《たかつかさ あおい》だった。社内の誰もが恐れる最高幹部が、なぜこんな時間に平社員のフロアにいるのか。「た、鷹司副社長……? なぜ、こちらに……」慌てて立ち上がり、頭を下げようとした紬だったが、葵は静かな歩調で距離を詰めてきた。高級なウッディノートの香水の香りが、瞬く間に紬の鼻腔をくすぐる。葵はパソコンの画面に一瞥を投じると、薄い唇の端をわずかに押し上げた。「システム
last updateLast Updated : 2026-09-14
Read more
第2話
翌朝。社内は開庁と同時に、異例の人事発令で大きく揺れていた。営業三課の「地味で冴えないアシスタント」である藤咲紬が、社内で最も近寄りがたいとされる若き副社長――鷹司葵の専属秘書に即日抜擢されたのだ。「なんであの藤咲さんが……?」「副社長、女嫌いじゃなかったの?」社員たちの痛烈な視線と噂話を背に受けながら、紬は最上階にある副社長室の重厚なドアの前に立っていた。手元のファイルを持つ手が、微かに震える。「……はぁ、本当に夢じゃなかったんだ……」息を整え、ノックを二回。中から「入れ」と短く低い声が響いた。そっと扉を開けると、そこはガラス張りで都心が一望できる贅沢な空間だった。大きな執務デスクの奥には、仕立てのいい暗紺のスーツを完璧に着こなした葵が腰掛けている。その姿は息をのむほど美しく、冷酷だった。「……おはようございます、鷹司副社長。本日より専属秘書として、よろしくお願いします」深々と頭を下げる紬。しかし、返ってきたのは静かな足音だった。葵はデスクを離れ、まっすぐに紬の方へと歩み寄ってくる。「誰が『副社長』と呼んでいいと言った?」「え……? でも、役職は副社長で……」困惑する紬の目の前で、ガチャリと背後の扉が施錠される音が響いた。「ひっ……!」驚いて振り返ろうとした瞬間、紬の体は背後の扉と葵の腕の間に挟み込まれていた。逃げ場のない完全な『壁ドン』の体制。目の前に広がる葵の胸元から、甘く重いウッディの香水が漂い、頭がクラクラとする。「人前では副社長で構わん。だが……二人きりの時は『社長』と呼べ。俺は次期社長だ。そして、お前を統べるのは俺一人だ」絶対的な支配を口にする葵の瞳には、昨夜以上の強い執着が宿っていた。葵の指先が紬の丸メガネをゆっくりと外す。前髪が払われ、隠していた美貌が露わになると、葵の瞳が満足げに細められた。「やっぱり、メガネはない方がずっといい。こんな綺麗なお前を、他の男どもに見せていたと思うと腹が立つ」「鷹司、社長……っ。私、ただの平社員ですし、やっぱり、秘書なんて務まりません……! お願いです、元の部署に……」逃げ出したい一心で吐き出した懇願は、葵の低い嘲笑によってあっさりと打ち砕かれた。「断る。お前が隠していたあの圧倒的な情報処理能力、国際財務の深い知識……あれを埋もれさせる気はない。それにな
last updateLast Updated : 2026-09-14
Read more
第3話
副社長室の重厚なドアが閉ざされ、施錠される音が静かな部屋に響く。逃げ場のない『壁ドン』の姿勢のまま、葵の指先が紬の大きな丸メガネをゆっくりと外した。前髪が払われ、隠していた素顔が露わになる。「……やっぱりな。メガネはない方がずっといい。こんな綺麗なお前を、他の男どもに見せていたと思うと腹が立つ」「た、鷹司社長……っ。お願いです、私みたいな平社員が秘書なんて務まりません。元の部署に……」逃げ出したい一心で吐き出した懇願は、葵の低い嘲笑によってあっさりと打ち砕かれた。「断る。お前が隠していたあの圧倒的な情報処理能力、国際財務の深い知識……あれを埋もれさせる気はない」葵の手が紬の腰の後ろに回り、グッと自分の方へと引き寄せた。隙間なく密着する体。生地越しに伝わる葵の強い体温と脈打つ鼓動が、紬の全身の肌を泡立たせる。「今日からお前の仕事は俺のサポート……そして、俺だけにその素顔と才能を捧げることだ。分かったな、紬」耳元で囁かれた甘い毒のような声に、紬は返事すらできず、ただコクリと頷くのが精いっぱいだった。――こうして、紬の「専属秘書」としての初日が始まった。社内での葵は、噂通り冷酷非道で完璧な「鷹司副社長」そのものだった。分刻みのスケジュールをこなし、役員会では容赦ない指摘で場を凍りつかせる。その圧倒的なカリスマ性と美貌に、周囲の社員たちは息をのむばかりだった。紬もまた、過去のトラウマから身につけた「完璧な仕事能力」をフル活用し、葵の指示に完璧に応えていく。「欧州市場の過去三年のデータ分析、これで合っていますでしょうか」「……完璧だ。システム部の連中が三日かける仕事を、お前は一時間で終わらせたか」執務デスクで書類を受け取る際、葵の指先がわざと紬の手に触れる。紬がビクッと肩を跳ねさせると、葵は周囲に見えない角度で口元をかすかに緩めた。「手が震えているぞ、紬」「……っ、気のせいです」冷徹な仕事モードの裏で、二人きりになると時折見せる甘く危険な距離感。紬は一日中、心臓が持ちそうにないほどの緊張感に晒されていた。午後七時。社内の照明が落ち始め、フロアから人が立ち去っていく。ようやく一日の業務が終わりを迎えようとしていたその時、外では激しい雷鳴が轟き、猛烈なゲリラ豪雨が降り始めた。窓を叩きつける激しい雨音。すごい雨……。電車、
last updateLast Updated : 2026-09-14
Read more
第4話
地下駐車場に降りると、そこには葵の愛車である漆黒の高級外車が静かに佇んでいた。葵がリモートキーを操作すると、静かな電子音とともにドアロックが解除される。葵は自ら助手席のドアを開け、紬をエスコートするように促した。「どうぞ」「あ、ありがとうございます……」恐縮しながら革張りのシートに腰を下ろすと、車内には葵と同じ、重厚で甘いウッディノートの香水の香りが満ちていた。続いて葵が運転席に乗り込み、重厚なドアが閉まる。途端に、外の激しい雨音が遠のき、車内は二人きりの完全な密室へと変わった。エンジンが静かに始動し、滑らかな加速で車が地下駐車場を抜け出す。ワイパーが激しく打ちつける雨を払う中、車内を街灯の光が不規則に照らしていた。どうしよう……すごく緊張する……。助手席で膝の上に置いたバッグをキュッと握りしめる紬。隣に座る葵は、洗練された手つきでハンドルを握り、前方の道路を見据えている。横顔のラインが彫刻のように美しい。「そう身構えるな。取って食おうというわけじゃない」前を見たまま、葵が静かに口を開いた。低い声が車内に心地よく響く。「す、すみません。普段、男の人と二人きりで車に乗ることがなくて……」「……男?」葵の眉がピクリと動いた。信号待ちで車が滑らかに停車すると、葵はゆっくりと紬の方へと身体を向けた。暗がりの中で、葵の黒瞳が妖しく光る。「他の男の車には一度も乗ったことがないのか?」「え……あ、はい。父以外には……」「そうか」短く答えた葵の口元が、心なしか満足げに緩んだ。葵は長い手を伸ばすと、紬のシートベルトのあたりに指先を這わせ、ぐっと顔を近づけてきた。「えっ……!?」思わず背もたれに体を押しつける紬。葵の息がかかるほどの距離で、紬の鼓動が耳の奥でうるさく打ち鳴らされる。「お前は素直でいいな。……だが、覚えておけ。俺以外の男の車には、これから後も、絶対に乗るなよ」「た、鷹司社長……?」「……お前に触れていい男も、お前を車に乗せて送る男も、世界で俺一人で十分だ」絶対的な独占欲を含んだ言葉。葵の指先が、紬の耳元にかかる柔らかい髪をそっと払う。その指の体温が触れた部分から、全身へ熱が広がっていくようだった。「返事は?」「……は、はい……」納得したように葵は身体を離し、再び車を走らせ始めた。なんなの、この人
last updateLast Updated : 2026-09-14
Read more
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status