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第6話

Author: ミチル
1週間後。エリュシオンの外には、高級車がずらりと並んでいた。

夜9時、オークションは定刻通りに始まった。

広々としたホールは満席で、照明は薄暗く淫靡な雰囲気だ。ステージに立った支配人の丸山康弘(まるやま やすひろ)が小さな槌を鳴らし、へつらうような笑みで客席を見渡した。「皆様、こんばんは。今夜オークションにかけられますホステスは、皆様もご存知のことでしょう。

東都一の華、木村紗奈さんです!」

彼は下品な笑みを浮かべた。「エリュシオン始まって以来、最も価値のあるホステス、開始価格は2億円からとさせていただきます!」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、客席からヤジが飛んだ。

「たかが一度寝るだけで2億円だって?頭おかしいんじゃないかよ?あいつにそんな価値あるわけないだろ?」

「昔はどんなにお高くとまってたか知らないが、今じゃただの売女じゃないか」

「お高いのには、それ相応の理由がございますよ」

康弘は意味深な笑みを浮かべた。

その時、眩いスポットライトがステージの中央を照らし、ソファがゆっくりとせり上がってきた。紗奈が、そこに寝そべるように横たわっている。体にぴったりとフィットした露出の多い赤いドレスは、彼女の雪のような肌を際立たせ、完璧なボディラインをあますところなく浮かび上がらせていた。

紗奈は妖艶に微笑み、媚びるような流し目で男たちを誘う。しかしその心は、ひどく冷え切っていた。

商品を値踏みするような男たちの視線は、紗奈に屈辱を感じさせた。しかし、彼女は顔に不満の色を一切見せず、笑顔でいなければならなかった。

紗奈がゆっくりと客席を見渡すと、薄暗い隅に座る翔太と目が合った。彼女は翔太を、まるで知らない人を見るような、何の感情も浮かべない目で見つめた。胸がずきりと痛み、慌てて視線をそらした。

翔太は唇を引き結んでいた。固く握られた左の拳が、彼の心の乱れを物語っている。あんなふうに自分を安売りする紗奈の姿に、腹の底で怒りが燃え上がっていた。しかし、一体何に腹を立てているのだろう?

翔太は一度目を閉じ、すべての感情を押し殺すと、再び冷たい表情に戻った。紗奈とはもう何の関係もないのだ。彼女がどうなろうと、もう知ったことではない。

「私の初めての夜のオークションへ、ようこそ!

私を落札してくださった方には、今夜はどんなことでも、最後までお付き合いいたします」

紗奈は妖しく笑い、華奢な指を胸元で這わせた。すると、もともとずり落ちそうだったドレスが滑り落ち、艶めかしい胸元が露わになった。

「すげぇな、まさに極上の女だ!この女はこんなにグラマーだったなんて、今まで気づかなかったぜ」

圭佑は目を釘付けにしていた。彼の席は翔太からさほど離れておらず、その言葉は翔太の耳にもはっきりと届いていた。

「前はあんなにきっちり着込んでたからな、わかるわけないだろ。それが今じゃ……」

「なあ圭佑さん、あなたが飽きたら俺にもやらせてくれよ。この木村家のお嬢様が、そこらの女とどう違うのか、俺も味わってみたいもんだ」

「ああ、いいとも。俺はとっておきのおもちゃをいろいろ持ってるんだ。その時は一緒に楽しもうぜ」

下劣な会話が、次々と翔太の耳に流れ込んでくる。彼は顔色一つ変えず、ただ静かに目を閉じた。

隣に座っていた陽菜は、翔太のそのかすかな反応を見逃さなかった。彼女は穏やかな笑みを浮かべていたが、心の中では激しい憎しみに燃えていた。

どうして?

自分がこれだけ長い間そばにいるのに、翔太は少しもなびいてくれない。なのに、紗奈が現れただけで、いとも簡単に彼の心は揺さぶられてしまう。

紗奈!

やっぱり、生まれついての売女ね。男をたぶらかすのが、あんなに板についてるんだから。

陽菜が圭佑に視線を送ると、二人は言外の意を込めて視線を交わした。

圭佑が不意に翔太に問いかけた。

「山本社長、本日こちらへお越しになったのは……もしかして、まだあの女のことが気になるとか?」

圭佑は、紗奈を破滅させるという約束を陽菜としていた。翔太がまだ紗奈に執着しているのなら、計画を変える必要があった。

翔太は薄目を開け、軽蔑しきった声で言った。「あんな女に、俺が気にかける価値なんて、あると思いますか?

今日ここに来たのは、彼女がどれだけ落ちぶれたかを、この目で確かめるためです!」

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