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第2話

作者: 奇跡の花畑
結局、両親は莉愛を連れて外食することに決めた。

家を出る直前、莉愛が私に声をかけてきた。

「お姉ちゃん、一緒に行く?」

私が答えるよりも早く、兄の翔太が口を挟んだ。

「こいつが昔から俺たちと一緒に飯を食わないことくらい、莉愛が知ってるだろ?」

そう言い捨てた後、兄は忌々しげに私を睨みつけた。

「本当に人の心ってものがない奴だな。お前みたいな血も涙もない奴が妹だなんて、考えるだけで恥ずかしいよ!」

兄の暴言に私は屈辱で青ざめ、一刻も早くこの場から逃げ出したい一心だった。

それと同時に、たまらないほどの悔しさが込み上げてきた。

莉愛は辛い料理が大好きで、外食と言えばいつも激辛の中華料理店ばかりだった。

私は胃腸が弱いため辛いものが一切食べられず、一緒に行っても白ご飯を黙々と噛み締めることしかできないのだ。

それなのに、両親はそんな私をワガママだと責め立て、莉愛の楽しい食事を邪魔するなと疎んじた。

そんなことが何度も続き、私は次第に外食に付き合うのをやめるようになったのだ。

私のその我慢は彼らの同情を引くことはなく、逆に私が「人の心がない奴」に仕立て上げられてしまった。

莉愛はペロッと舌を出し、それ以上私を誘うことはなく、両親と兄の背中を追って外へ出て行った。

私は一人キッチンに向かい、自分一人分のうどんを作った。

ダイニングテーブルに一人で座り、黙々とそれを食べ終え、そしてまた一人でキッチンへ食器を片付けに行く。

ふきんを置いた瞬間、スマホが鳴った。

母からの電話だった。

どうやら食後、彼らはそのまま莉愛を連れてデパートへ服を買いに行ったらしい。

ビデオ通話の画面越しに、母はズラリと並んだTシャツを指差して私に尋ねた。

「ブルーとホワイト、どっちが好き?」

私がどちらの色にするか迷っていると、母は軽やかに手を振って言った。

「いいわ、両方買っちゃいましょう!」

電話を切った後、私は思わず声を上げて大泣きしてしまった。

それは、間違いなく喜びの涙だった。

莉愛に買い与えられた高価なブランド物のワンピースに比べれば、このTシャツなんて大した金額じゃない。

それでも、母親の心の中にまだ自分の居場所が残っているのだと思えて、胸の奥が少しだけ温かくなった。

私は一瞬、志望校の登録を変更し、このまま両親のそばに残ろうかとすら思ってしまった。

しばらくして、莉愛たちが帰宅した。

案の定、両親と兄は、山のようなショッピングバッグを抱えるようにして戻ってきた。

そのすべてが、有名ハイブランドの最新コレクションで、どれも莉愛のために買われたものだった。

私は慌てて出迎え、私に買ってくれたというあのTシャツを受け取ろうと手を伸ばした。

だがその瞬間、莉愛の得意げな自慢声が聞こえてきた。

「本当に超お買い得だったわ。これだけ服を買っても百万円くらいしかかからなかったよ。

お店の人が、おまけにTシャツを二枚もサービスしてくれたんだもん!」

伸ばしかけた私の手は、そのまま固まった。

ああ、そうか。

彼らが突然心を入れ替えて、私のことを大切に思い始めたわけじゃなかったんだ。

胸の奥から、苦い思いが一気にこみ上げてきた。

「そのTシャツは、適当に誰かにあげてよ。私はもういらないから」

私はTシャツを投げ捨て、小走りで自分の部屋へと逃げ込んだ。

ドアを閉めた瞬間、こらえきれずに涙がボロボロとこぼれ落ちた。

ドアの隙間からは、両親と兄の不満げな文句がはっきりと聞こえてきた。

「ったく、本当に可愛げのない。

莉愛が親切におまけの服を譲ってあげようとしたのに、感謝の一つもできないなんて!

あんな強情な性格、一体誰に似たのかしら!」

兄もすぐに同調した。

「全くだよ。莉愛と違って全然可愛げがない!

あれじゃ、嫌われても当然だろう!」

彼はさらに、両親に向かって疑問をぶつけた。

「あいつと莉愛、本当に双子だったか?

はあ……俺の妹が、莉愛一人だけだったらどんなによかったか!」

安心して、兄さん。その願いはもうすぐ叶うから。

私は心の中で呟いた。

兄さんにはもうこの目障りな妹はいなくなるし、両親にもこの可愛げのない娘はいなくなる。

そして私自身も、絶対に得られない家族の愛を乞い願って苦しむ必要はなくなるのだ。

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