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憎んでいた母、でも記憶を失って憎めなかった

憎んでいた母、でも記憶を失って憎めなかった

作家:  クマちゃん完了
言語: Japanese
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概要

幽霊目線

ドロドロ展開

病的

ひいき/自己中

偽善

後悔

母は私を眠らせ、その間に私のキャッシュカードを勝手に使った。 そのくせ、あとになって冷たい顔で私を責め立てる。 「たかが二、三百万円でしょ?ほんと、根に持つ性格だよね。 弟がバイクを買うの。誕生日プレゼントだと思えばいいでしょ」 私は素直にうなずいた。 母は一瞬、目を見開く。普段はいちばん言うことを聞かない私が、今日は妙に大人しい。 母は知らない。私は脳腫瘍を患っていて、記憶が少しずつ失われていることを。 彼女のあからさまな偏愛も。喉に引っかかり続けていた悔しさや苦さも。 そして――このお金が、本来は手術を受けて命をつなぐためのものだったことすら。

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第1話

第1話

I was taking a shower but I felt like I was being watched.

These days, I had been totally captivated by and restlessly researching merpeople day and night.

My fascination with this mysterious species had caused a merman to appear in my dreams a few days ago.

He was majestic, young, and about three meters tall. His upper body was muscular, and his tail was iridescent black. A tail so powerful that a single movement had the strength to produce a huge, engulfing wave.

But my dream wasn’t related to my research topic at all, because this merman was a demon!

And now I felt like I was being watched in the comfort of my own university dormitory bathroom.

The walls and the floor of my bathroom felt like they had turned into glass, and a pair of sharp glowing eyes were staring at me from below. My entire body, including my private parts felt exposed and peeped at by probing eyes.

At that moment, I wanted to quickly cover up my body with a towel.

Just then, a fragrance came over me, drowning all my senses. My hand weakly slipped from the wall and my entire body collapsed to the ground. I suddenly had no energy to pick myself up.

I was supposed to be lying on the ground but at this moment, my body seemed to be floating on the surface of water, drifting along with the current.

In an instant, my body felt like it was pressed against something cold. Its icy cold feeling was similar to seawater. The fragrance grew stronger and I started to smell the saltiness of the seawater.

I wanted to escape but I was unable to muster any energy, especially in my legs which felt like they were entangled in something wet and slippery.

I looked down and saw a black fishtail restraining my legs. The tailfin had red speckles on it, similar to a blood-stained dagger.

My upper body was stuck with another humanoid body. Although its body temperature was lower than a normal human being, its strength was incomparable.

It had a pair of hands, or more accurately, a pair of webbed claws with a transparent membrane between each of its fingers.

This pair of hands were moving up from my belly button bit by bit. Soon, they almost touch my chest.

A deep sigh rang behind me.

Right then, I felt a hard body against my back.

If I was not mistaken, it was the merman’s body! A body more solid than a normal man's was tightly hugging me from behind.

I felt alarmed and scared. ‘This brute intends to… but I am a human, what is this merman going to do to me?’

And the body that was pressed against my back stirred. He rubbed more closely behind me, then inadvertently touched my sensitive shoulder with his chin.

His agile tail slowly separated my legs and the tail fin traversed up towards my pelvic area.

My entire body started to shudder. I was resisting it mentally, but my body couldn't resist this feeling.

Just then, a fragrance filled the space around me.

My body flushed to a shade of red and unbeknownst to me, my legs were getting weaker and weaker. It was hard for me to support my body, so much so that I seemed to be leaning on the merman’s body even more.

I heard a chuckle come from behind me as I could almost feel the corners of the merman’s mouth curling up in my ear.

‘This must be a dream. I must have delved too deep into my research on merpeople, that’s why I’m having a dream like this.

‘Even if there was such a thing as a live merperson, why would it suddenly appear in my bathroom?’

But the dream felt so real.

I was left in disbelief even as that firm body seemed intent on entering my own, and I couldn’t stop myself from trembling.

Suddenly, the bathroom door opened.

“Ah!” shouted my roommate, “Linda, why are you lying on the floor?”

I was utterly embarrassed—was she going to see the look on my face as a merman bewitched me?

My mouth gaped open but I couldn’t utter a word.

The cool sensation behind my back was gone, and the strong fragrance slowly disappeared.

My roommate helped me up and said with concern, “You must have been tired out from your research on the merpeople and passed out in the bathroom.”

“You’re about to set off to find traces of the merpeople with the professor. You’ve got to take care of yourself, otherwise it might happen again at sea.”

Dazedly, I started to have suspicions about the experience earlier.

‘Am I really so tired that I just fainted?

‘So what happened earlier was just a dream?

‘Why do I keep having the same dream these past few days?’
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レビュー

蘇枋美郷
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おばあちゃん!!!なんの打算も躊躇いもなく最期も救ってくれたのは彼女だけだった!向こうでも一緒に逝けて良かった。それだけが主人公の救いだ!
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とんでもねえ畜生家族から何故こんな主人公が育ったのか 弟と母親は地獄行き 主人公はおばあちゃんと天国で温かく過ごして行って欲しい
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2026-01-08 22:41:20
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8 チャプター
第1話
母は私を眠らせ、その間に私のキャッシュカードを勝手に使った。そのくせ、あとになって冷たい顔で私を責め立てる。「たかが二、三百万円でしょ?ほんと、根に持つ性格だよね。弟がバイクを買うの。誕生日プレゼントだと思えばいいでしょ」私は素直にうなずいた。母は一瞬、目を見開く。普段はいちばん言うことを聞かない私が、今日は妙に大人しい。母は知らない。私は脳腫瘍を患っていて、記憶が少しずつ失われていることを。彼女のあからさまな偏愛も。喉に引っかかり続けていた悔しさや苦さも。そして――このお金が、本来は手術を受けて命をつなぐためのものだったことすら。私が何も言わずにうなずいたのを見て、母は嬉しそうに抱きしめてきた。「やっと分かったのね。また昔のこと持ち出して、大騒ぎするかと思ったわ」昔?正直、どんなだったか、もうほとんど覚えていない。この空っぽになったカードみたいに、覚えているのは、私が皿洗いをして、少しずつ貯めたお金だということだけ。でも、何のために使うはずだったのかは、思い出せない。まあ、いい。お金なんて。弟や母より大事なものじゃない。抱き返そうとした瞬間、母はもう腕を離していた。「安心しなさい。お母さん、弟だけ贔屓してるわけじゃないから。これは急ぎだっただけ。ちゃんと埋め合わせするわ」母はそう言い残し、足早に出ていく。背中を見送りながら、胸の奥が少しだけ空いた。――お母さん。補償なんていらない。ただ、もう少し一緒にいてほしかった。自分が、あとどれくらい生きられるのか分からないから。睡眠薬の副作用か、頭はまだぼんやりしている。刺激されたのか、頭の中の腫瘍まで疼きだす。私はベッドの上で体を丸め、そのまま意識を手放した。夢の中で。完全に消える前の曖昧な記憶が、儚い花のように、ふっと浮かび上がる。……五歳のとき。私は右目を失った。あの頃、弟と同じ幼稚園に通っていた。帰りの時間、先生に言われて、小さなリュックを背負い、門の前で大人しく母を待っていた。迎えに来た母は、私たち一人ずつに、りんご飴をくれた。弟が生まれた後、いつも誰かがこっそり私に言うの。「あなたのママ、新しい子ができたから、もうあなたはいらないんだよ」って。そんなはずない。だって、私にも弟
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第2話
弟は、体調が悪いと嘘をついた。母の注意は、一瞬でそちらに奪われた。「きっと、さっき雨に濡れて風邪ひいたんだわ!行くよ!すぐ病院!遅らせるわけにいかない!」玄関に向かいながら、私も雨に濡れたことを思い出したらしい。振り返って、部屋の中へ声を投げた。「美月、冷蔵庫に生姜があるから、自分で煮て飲みなさい。あんたも冷えないようにね」そう言い残し、「バタン」と音を立ててドアが閉まった。家の中は、瞬く間に死んだように静かになった。聞こえるのは、私の荒い息だけ。血と涙が、指の隙間からこぼれ落ち、冷たい床に落ちていた。痛みで意識が遠のくまで、私は繰り返し呟いていた。――「ママ、行かないで」――「ママ、こっちを見て」次に目を覚ましたとき、私は病院のベッドに横たわっていた。医師は言った。右目は、もう助からない。摘出するしかなかった、と。ベッド脇には、母が座っていた。顔をくしゃくしゃにして、泣いていた。私が目を開けると、慌てて涙を拭い、そっと水の入ったコップを差し出してきた。視界の半分が闇に沈む感覚に、まだ慣れなかった。怖くて、言葉を返すのを忘れてしまった。すると、母の感情が一気に崩れた。自分の頬を、狂ったように叩き始めた。「ごめんなさい!お母さんが悪かった!それでいいでしょ!他に何を望むの!私と浩平が死ねば、それで満足なの!」けれど、気持ちが落ち着くと、今度は声を低くして謝ってきた。朝から晩まで病院を走り回り、医師の前では膝をついて、どうか娘をお願いします、と頭を下げた。ほんの数日で、別人みたいにやつれてしまった。幼い私は、弟を優先する姿を見せつけられながら、それでも母の中には、確かに私への愛もあるのだと感じていた。その感覚は、雨に濡れきった、あの綿入りの上着みたいだ。着ても寒い。脱いでも寒い。八歳の年。人生で、いちばん絶望した時期だった。父がギャンブルに溺れ、家の金をすべて失った。家も。車も。最後には、家族さえも。離婚の場で、父が有責と判断され、裁判官は母に、どちらの子を引き取るか選ばせた。母は、考えることもなく弟を選んた。「美月、浩平はまだ小さいでしょ。手が離せないの。お母さん、美月は強い子だって信じてる。きっと、自分のことはちゃん
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第3話
入れるわけにはいかなかった。けれど、木の扉は今にも壊れそうで、次の瞬間には裂けそうな音を立てていた。私は部屋の隅に身を縮め、唇を強く噛みしめた。やがて、荒っぽい男たちが扉を蹴破り、カーテンの裏に隠れていた私を、乱暴に引きずり出した。「おい!親父はどこだ!さっさと金返せ!じゃなきゃ、お前が代わりに身体で払え!」殺されるんじゃないかと思うほど、彼らの目は血走っていた。震えながら、私は正直に答えた。「……どこにいるか、分かりません」男たちは家中をめちゃくちゃに壊し、金目の物を好き勝手に漁った。その合間に、こんな踏み倒しの娘なんて、ろくな死に方しない、と罵った。でも、私は何も悪くない。どうして、みんな私をいじめるの。全員が去って、ようやく声を上げて泣けた。ケーキは床に落とされ、何度も踏みつけられて、見るも無惨な姿になっていた。きっと、これが運命なんだ。母の愛も、私は手に入らなかった。母が送ってくれたケーキさえ、手に入らなかった。私は這い寄り、汚れたまま掴み上げ、構わず口に押し込んだ。今年のケーキは、まったく甘くなかった。母に少し余裕ができてから、月に一度、会いに来るようになった。父に虐待された痕を見て、母は泣き崩れた。煙草の火傷。棒で打たれた跡。熱湯をかけられた傷。誰よりも苦しそうに泣いていた。「美月、全部お母さんのせい……何もできなくて、ごめんね」私は彼女の胸に顔を埋め、いつになったら一緒に暮らせるのかと聞いた。母は、「もうすぐよ。もう少しだけ待って」そう言うだけだった。その「もう少し」は、五年も続いた。弟が病気でお金がかかる。弟の進学で手が離せない。母には、いつも理由があった。期待と失望の間を行き来させられ、私は何度も、全身が擦り切れるほど転び続けた。やがて、分かってしまった。本気でやりたいことがある人は、先延ばしになんてしないはずだ。つまり、私はそれほど大事じゃなかった。しばらくして、借金まみれになった父は、川に飛び込んで自殺した。私に残った保護者は、母だけ。裁判所は、再び私を母の元へと戻した。怯えながら家に戻ると、ずっと迎えに来ると言っていた母は、露骨に苛立った顔をした。「浩平はね、家に知らない人がいると、耐えられな
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第4話
母は、少し気まずそうにした。「……忘れたの?毎週水曜は、私と浩平の親子の時間なのよ……」でも、私の誕生日は、一年に一度しかない。結局、間に入ったのは弟だった。笑顔で、「今日は姉ちゃんがいちばんだよ」そう言ってくれて、ようやく母は、渋々うなずいた。家を出ると、弟がタクシーを拾った。運転手は、半分だけ陰った顔をしていて、目が合うと、充血した瞳の奥に、異様な高揚が宿る。私は思わず身をすくめる。すると弟が、薄く笑い、強く私を車に押し込んだ。「姉ちゃん、先に行ってて。俺、トイレ行ってくるから」そう言って、走り去る。母は少し戸惑ったが、お腹でも壊したのかと心配になり、弟を追いかけていった。残されたのは、車内の私一人。世界中から、置き去りにされた感覚。胸の奥に、馴染みのある酸っぱさが込み上げる。なぜか、この光景を、何度も経験している気がした。運転手は、ドアをロックし、アクセルを踏み込む。車は、細い路地へと入り込んだ。途中、震える声で聞いた。「……道、間違ってませんか」返事はない。やがて車は、廃れた倉庫の前で止まった。中から、体格のいい男たちが、数人出てくる。「お前の親父、昔、ギャンブルの借金返せなくて川に飛んだな。そのせいで、俺たち高利貸しは、まとめてムショ行きだ。やっと出てきたってのに、このツケ、どう落とし前つけるつもりだ?」そのうちの一人が、勢いよく詰め寄り、私の襟元を引き裂いた。「本来なら、父親の借金は息子が返すもんだ。でもな、あの腰抜けの弟が、お前を差し出した。好きにしていいってさ。どう遊んでもいいって」手が、私の体を這い回る。「いい体だな。さあ、ちゃんと返済しろよ」父が川に飛び、死んだことは覚えている。でも、血を分けた弟が、こんなことをするなんて、想像もしていなかった。一瞬、息が止まる。男たちは、力任せに私を倉庫へ引きずり込んだ。抵抗すると、積まれていた金属部品で、頭を殴られる。感情が崩れた瞬間、脳の奥が、また激しく疼いた。外も痛い。中も痛い。そこで、意識が途切れた。次に目を覚ましたとき、服はすべて剥ぎ取られ、体中、新しい傷と古い傷で覆われていた。男たちは、もういない。私はふらつきながら、地面を這って、携帯電話を
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第5話
未完成のビルの屋上。背後から、しゃがれた女の声が響いた。「お嬢ちゃん、そんなに綺麗なのに、飛び降りてぐちゃっと死んだら、すごく醜いよ」私ははっとして、勢いよく振り返った。そこに立っていたのは、廃品を拾って暮らしているらしい、年老いたおばあさんだった。彼女はゆっくりと近づき、そっと私の手を取ると、そのまま屋上から連れ出し、家へと連れて行ってくれた。そこは、ぼろぼろで今にも崩れそうなゴミ集積場だった。鼻を突くような悪臭が立ちこめている。それでも、私は少しも嫌だとは思わなかった。――だって、私はようやく帰る場所を手に入れたのだから。おばあさんは大きな鍋でお湯を沸かし、私の体を丁寧に洗ってくれた。頭のてっぺんから足先まで、白く、清潔になるまで。記憶を失った私は、まるでバカのようで、生活に必要な基本的な常識さえ、いくつも忘れていた。それでもおばあさんは、決して苛立つことなく、ひとつずつ、根気強く教えてくれた。そして、「ここにいなさい。安心して体を治すんだよ」そう言って、私を住まわせてくれた。毎朝、おばあさんは夜明け前に家を出て、ゴミ拾いに向かう。夜になると、どこからか香ばしい匂いのする食事を一人分、必ず持ち帰ってきてくれた。一緒に食べようと誘っても、彼女は首を横に振る。「もう食べてきたからね」けれど私は知っていた。毎晩、私が眠ったあと、おばあさんがこっそり起き出して、冷え切った蒸しパンをかじっていることを。だから、今度は私がおばあさんを騙した。「口に合わない」そう言ってわざと不機嫌になり、残った半分のご飯を怒ったふりで捨てる。するとおばあさんは胸を痛めながらも、それを拾い、きれいに食べてくれた。そんな日々が、十日あまり続いた。――その日、突然。見知らぬ女が、ゴミ集積場へと駆け込んできた。低めのヒールを履き、息を切らしながら一直線に走ってきて、私を強く抱きしめる。「美月!ずっと探してたのよ!何も言わずに出て行くなんて、本当にお母さんを怖がらせたわ!さあ、行くわよ!早くおうちに帰りましょう!」私はそっと彼女を押し返し、距離を置いたまま、冷えた声で言った。「……あなた、誰?」女の顔が、みるみるうちに凍りつく。「お母さんよ。美月、覚えてないの?い
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第6話
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第7話
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第8話
両手はにんじんのように腫れ、箸さえ握れない。遅れてきた心配など、もう何の役にも立たなかった。母と弟の生活は、このまま続くと思っていた。ところがある日、突然警察が訪ねてきた。「あなたは桐生美月(きりゅう みつき)のご家族ですか?数名の性犯罪者を逮捕しました。調査の結果、美月さんも被害者でした。今から被害届の作成に来ていただきたいのです」母は目を見開き、私がそんなに酷い目に遭っていたことを信じられなかった。母は警察署で狂ったように、あの犯人たちを問い詰めた。「この畜生ども!どうしてそんなことができるの!」すると、ある者が軽薄な口調で答えた。「お前の息子が売ったんだろ。姉ちゃんは弱々しくて騙しやすい、好きに弄べってな。おっとっと、あの娘、悲鳴が凄かったぜ」全ての経緯を聞いた母は、絶望でその場に崩れ落ちた。自分の息子が悪いことをするとは思っていたが、まさか実の姉に手を出すとは、夢にも思わなかったのだ。私も魂として、その畜生どもを見たとき、思わず身震いした。苦痛の記憶が再び押し寄せてきた。――神様、私はもう死んでいるのに、なぜまだ放っておかないの?泣くのをずっと我慢していた私は、ついに涙をこぼした。母は驚き、自分の手に水滴が落ちているのを見た。「美月……あなたなの?美月?」だが見渡しても、そこには何もなかった。警察は、母が精神的にショックを受けたと思い、数言慰めてくれた。母は、まるで失った家族を探す犬のように、家へ戻った。扉を閉めると、目つきが鋭く変わった。母は麻痺した弟を無理やりベッドから引きずり、私の骨壺の前に連れて行った。「菊地貴美(きくじ たかみ)、お前何やってんの?俺はお前の実の息子だぞ、どうしてこんなことができる!」母は木の棒を手に取り、弟の背中を叩き始めた。下半身を失った弟は、抵抗できない。最初は叫び続けていたが、吐血して必死に懇願するようになった。母の目は真っ赤に充血し、弟を睨む。「なぜ美月を傷つけたの?その日は彼女の誕生日だったのよ、私たちは一緒にケーキを買いに行く予定だったのに」弟は思い出したように、嘲るように言った。「お前、本当に笑えるな。ずっと俺ばかり優遇して、彼女なんてどうでもいいと思ってたんだろ?俺もそ
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