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第32話

Auteur: ASAMI
last update Date de publication: 2026-01-14 13:07:20

私は先輩の横顔を見上げるだけで、やっぱり大事な部分を聞けなかった。

聞いたところで、私に解決できる問題じゃないと思ったから。

レオくんの力になりたいと思うのだけど、私じゃ到底無理なような気がして。

さっきの3人の表情から。

他人の私は、簡単に足を踏み入れちゃいけないような。

先輩も曖昧な言葉を落とすだけで、肝心なことは教えてくれなかった。

切なげな表情だけを私に向け、無理に笑っている。

私もその微笑みに答えることしかできなくて。

『大丈夫ですよ』

なんて、無責任な事は言えなかった。

夜風は少し冷たい。

半袖から出ている腕を軽くさすると、星空を見上げていた先輩の視線が私に向いた。

「寒いのか?」

「あ…… ハハッ。ちょっとだけ」

苦笑して、腕をさする手をさっと下した。

すると、先輩はぎこちなく首の後ろに手を当て、なぜかプイっとそっぽを向いた。

「悪い」

突然の言葉に、『えっ?』と先輩を見上げる。

「あ、いや。 ほら。普通はさ、かけてあげるもんだろ。 何か」

「何か?」

「いや、だから、その。 上着……とか」

珍しく頬を赤らめる先輩。

首の後ろを忙しくかいて照れ隠しをしている先輩が、何だ
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