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第470話

墨香
岳の胸は激しく上下し、その目は赤く血走っていた。

「俺はそんな……」声はかすれていた。「お前は俺を貶めるために、そんな嘘まででっち上げるのか?明乃はあの時、確かに彼女の目で俺を……」

「何を見た?」湊がその言葉を遮った。眼差しは刃のように鋭い。「あの時、薪割りの時に枝でつけた傷をか?」

明乃は息をのんだ。

岳の顔から一瞬で血の気が引いていく。目の奥に、かすかな動揺と逃げるような色がよぎったのを見て、明乃の心は少しずつ沈んでいった。

見落としていた細かな記憶が、抑えきれずに浮かび上がってくる。

5年前の、あの混乱した夜。路地は暗く、記憶も曖昧だった。

覚えているのは、誰かが駆けつけてきて、あのチンピラを追い払い、自分を助けてくれたことだけ。

あとは、胸を刃物で切られていたこと。

その後、岳の胸に新しい傷ができたと、誰かから聞いた。

だから、明乃はその人が岳だと思い込んだ。

岳本人が一度もはっきり認めたわけではない。けれど彼女は、ずっとそうだと思っていた。

その後、岳が彼女に対してつかず離れずの態度を取るようになっても、彼女はいつも、かつて彼が自分の命を救ってくれた
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Kommentare (2)
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ウエダチエ
本当嘘つきはアカンて、まして命かけた好きな人に一生嘘つき通すのー。湊が言わんかったらあんたずーっとうそつきやで
goodnovel comment avatar
中村 由美
結婚式までいったのにねぇ〜。 式場に明乃を置いてきぼりにして美優のとこ行ったのよなぁ〜。 ある意味、美優のおかげで岳と結婚せずに済んだんだ。あの状態で結婚しても幸せにならないから、まぁ不幸中の幸いよなぁ〜。クズ岳は自業自得で明乃には本当の幸せを!
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