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45.紡がれた愛の言葉

ผู้เขียน: 望月 或
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-05-08 16:11:44

「……あぁ、でも――」

 ヴィクタールは瞳を閉じ、腕の中のリシュティナを強く抱きしめる。

「お前とさ、もっと生きたかったよ。お前といるとすごく楽しいんだ。オレがオレのままでいられたんだ。だから……二人でさ、もっと色んな場所に出掛けたかったな。もっと、一緒に旅……したかったな。オレ達が知らない面白くて楽しい事が、この世界には沢山ある筈なんだ。残酷な世界でも、辛くても苦しくても……さ、二人で笑って……、乗り越え……て――」

 止まっていた涙が、再び溢れてくる。

「ごめんな? リィナ。オレが意固地な所為で……。オレが素直に“言葉”に出して伝えていたら、お前は喜んでくれたか? とびきりの笑顔を見せてくれたか……?」

 涙が次々と零れて、リシュティナの頬を何度も濡らす。

「……なぁ、リィナ。もう一度逢えたなら、今度こそオレは間違えない。何度でも、しつこいくらいお前にオレの気持ちを伝えるよ」

 ヴィクタールは、流れる涙はそのままに、小さく微笑んで心からの言葉を紡いだ。

「――愛してる、リィナ」

 ……重ねた唇は、氷のように冷たくて。

 それが生きている者の体温では無い事実に、更にヴィクタールの涙腺が壊れる。

 それでもヴィクタールは離さず、少しでも温かさを取り戻せるようにと、深く唇を合わせた。

 その時、リシュティナの首に掛けられていたペンダントが、強い閃光を放った。

 ペンダントの先に付いていたアメジスト色の石に次々と亀裂が入り――それはやがて澄んだ音を立て割れてしまった。

「なっ……!?」

 刹那、ヴィクタールがはめていた指輪の宝石が、赤い光を放ち始めた。

 その光は徐々に大きくなっていき、そして一気に広がった。

「――っ!!」

 ここにいた人達全員の視界が、燃えるような朱で一斉に埋め尽くされる。

 やがてその光は薄まっていき、ヴィクタールがそっと瞼を開くと――

「うわっ!?」

 ヴィクタールの前に、全身に火を纏う巨大な朱い鳥が佇んでいた。

 真紅色のキラキラした瞳をヴィクタールに向け、クチバシを動かす。

『膨大な魔力を持つ王家の者と、「聖なる巫女」の直系の血を引きし者。そしてその『古の指輪』と二人の強き“絆”。――私を喚んだのは貴方方ですの?』

「へ? 喚んだ……?」

 ヴィクタールが透き通った声を発する朱い鳥を見上げ茫然としていると、崖を降りてきた国王が慌ててこちらに
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