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第386話

مؤلف: 藤崎 美咲
星乃が渋々うなずくのを聞いて、悠真は得意げに眉を上げ、律人の方を見た。

もちろん律人には、その「勝ち誇って見せつけている」気持ちが丸見えだった。

心の中で苦笑しつつ、何も言わない。

正直、自分がひと言止めれば、星乃は素直に聞くだろう。

でも、そんな子どもの喧嘩みたいなやり方は本当にくだらなくて、付き合う気になれなかった。

それに何より、ずっと前から星乃の気持ちには確信がある。

こんな小さなことで嫉妬するほど余裕がないわけじゃない。

星乃が外へ出てから、戻ってきたのはすっかり日が落ちてからだった。外で竹を何本か見つけてきて、簡単な蒸し器を作ったらしい。

料理に取りかかる前に、星乃は念のためもう一度悠真に確認し、彼が何度もうなずいたのを見てから、魚を蒸し器に入れた。

入れる前に、苦労して見つけたミントの葉や山ショウガも一緒に加えて、香りづけにした。

魚が蒸し上がり、悠真が一口食べる。

とても柔らかい。

ほとんど臭みもない。

悠真は眉を上げた。

やっぱり、星乃が言うほど食べられないわけじゃない。

悠真が何か言おうとしたそのとき、横にいた律人が、焼き上がった魚をひとかけら手で裂き、星乃の口元へ差し出した。

「骨は全部抜いてあるよ。食べてみて」

星乃は手が塞がっていたので、そのまま自然に口で受け取り、噛んで飲み込む。

「悪くないけど、ちょっと火が弱いかな。私のほうが美味しくできてる気がする」

「そう?」

「うん、食べてみて」

そう言って、星乃も焼けた魚をひとかけら裂き、骨を取って、今度は律人の口元へ差し出した。

「本当だ、美味しい」律人は満足げに軽く声を漏らす。

星乃は自分の焼いた分を律人のものと交換しながら笑った。「野外経験はあなたの方が上だけど、料理は私の方が経験あるからね」

言いながら、どこか得意げだった。

律人は素直に親指を立てて、しっかり褒めてくれる。

二人が楽しそうにやり取りするのを見て、悠真にはなぜこんな些細なことでそんなに盛り上がれるのか本当にわからない。さっきまで美味しいと思っていた魚の味が、急に少し苦く感じた。

その夜、悠真はどうしても眠れなかった。

赤々と揺れる火の光越しに、目を閉じて眠りに落ちている星乃を見つめながら、彼は初めて気づく。彼女は、思っていた以上にずっと綺麗だということに。

整った顔
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