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第10話

Author: 二ノ河
麗華は事もなげに言った。

だが僕には分かる。聖也の性格だ、間違いなく大喧嘩をしたに違いない。

そして彼は海外へ去り、彼女は僕の元へ戻ってきたのだ。

僕は鼻で笑った。

「麗華。彼が二度と戻ってこないから、僕のところに来たんだろう?」

麗華は慌てて首を横に振った。

「違うわ、そんなんじゃない!あなたが好きだからよ!

好きだからこそ彼にあんなことを言ったの。もうこれ以上、あなたを傷つけたくなかった……

悠真……好きなの……愛してるわ……」

愛の言葉は、いつだって甘美だ。

もし少し前なら、たとえ九十九回目の時でさえ、僕は彼女を許していたかもしれない。

だが今、百回分の「許し」は積み上がり、もう満杯だ。これ以上のチャンスはない。

たとえ彼女の言葉が真実だとしても、それがどうしたというのだろう?

僕は彼女に、百回のチャンスを与えたんだ。

「でも、君の愛なんてもういらないよ、麗華。

君が僕を愛しているからといって、僕がそれに応える義務があるとでも?」

麗華の瞳から涙が溢れ出した。

今日、僕は彼女の多くの「初めて」を目にした。

初めて見る狼狽、初めて見る涙。

だが、そのすべての姿を見ても、僕の心は麻痺したように何も感じなかった。

「悠真……愛してないなら、どうして私が贈ったものを持ってるの?」

僕は一瞬きょとんとして、すぐに理解した。

「あの物件のことか?

君が罪滅ぼしに寄越したものを、よくもまあ持ち出せたものだな」

あまりに滑稽で、笑いが込み上げてきた。

「いいよ。あんなもの全部返してやる。僕はいらない。

僕が欲しがってるとでも思ったかい?裏切りの回数をカウントするような代物なんて、好きで持ってるわけないだろう」

僕は最後にそう言い捨て、嫌悪感を隠さずに背を向けた。

だが麗華は食い下がり、僕の腕を掴んだ。信じられないという顔で問い詰めてくる。

「私がいらないなら、お金もいらないっていうの?あんなちっぽけなバーの女店主と、一生添い遂げる気?

あの女に何ができるっていうのよ!」

僕は麗華の手を振り払い、冷ややかに言い放った。

「彼女に何かをしてもらおうなんて思ってない。

ただ、裏切らないでいてくれれば、それでいい」

僕は決然と立ち去った。

麗華は追いかけようとしたが、ウサギの着ぐるみが足枷となって思うように動けない
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