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第237話

Author: シガちゃん
「……ですが、長門さんは社長の親族ではありません」麗子は小さく息を吐いた。「あなたが社長を恨んでいることはよく分かっています。でも今、彼は命さえ危ない状況なんです。滝沢家の方々も、彼が江川市に来た本当の理由――あなたを探しにきたことを、まだ知りません。どうか……和恵さんのお顔を立てると思って、一度だけ、会いに来ていただけませんか?」

「……言いたいことは、それで全部ですか?」由奈は深く息を吸い、驚くほど落ち着いた声で続けた。

「じゃあ、次は私の番ですね。まず、おばあさまのご恩は、今でも感謝しています。でも――おばあさまはおばあさま、祐一は祐一。そこは、きちんと分けて考えて欲しい。今日、おばあさまの顔を立てて会いに行ってしまったら、また次も、そうするよう強要されるでしょう。

この六年間、私は滝沢家に何も借りはありません。おばあさまが私によくしてくださいました。それには感謝しています。ですが、必ず顔を立てなきゃいけないなんて、そんな義務はありません。

祐一に伝えてください――たとえ彼が死んだとしても、私は会いに行きません」

そう言って、通話を切った。

ツーツーという無機質な音が
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