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弍-②

作者: Mirai
last update 公開日: 2026-07-30 19:38:17
それからしばらくして、出来上がった料理が居間に運ばれて来た。

「お待たせ〜。今夜は肉じゃがだよ」

伊織が四人分の皿に盛り付けた肉じゃがをちゃぶ台に置くと、途端に牛肉の良い香りが俺の鼻を伝って胃袋を刺激した。美味そうだ。

ふと、肉じゃがに釘付けになっていると、背後から視線を感じた。振り向くと、伊織の後ろにいたもう一人の姿が目に入る。

「……こんばんは」

「こ、こんばんは……」

その視線の主は、小さな女の子だった。ミルクティーのような色のショートカットの髪の毛に、こちらをジッと見つめる黄緑色の眼。

その表情にははっきりとした警戒心が宿っているのが分かって、俺は慌てて背筋を正した。

「凛寧、新しい従業員の成海。仲良くするんだぞ」

「だからまだ働くって決めたわけじゃ……小鳥遊成海です」

頭を下げると、向こうも少しだけ下げてくれた。

彼女が、凛寧……さん? ちゃん?

呼び名はともかく、この家の台所担当をこんな小さな女の子がしているなんて思いもしなかった。見たところ、小学生高学年から中学生くらいだろう。

「……凛寧でいい」

「ど、どうも」

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