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第8話

Author: むぎむぎ
母はふと、私が3歳で初めて手術を受けたときのことを思い出した。

あの時、医者から手術のリスクが高いと告げられ、母は私を抱きしめたまま、病院の廊下で一晩中泣いていた。

私が手術室へ運ばれていくときも、母はベッドを追いかけて、何度も「お母さんは外で待ってるから」と繰り返した。

父もかつては、仕事をすべて後回しにして、毎日私を学校まで送り迎えしてくれた。

あの日、授業中に私が倒れると、彼はあまりにも慌てて駆けつけたせいで、靴を左右逆に履いていた。

兄にいたっては、小さい頃から私を徹底的に守ってくれた。

同級生に「病弱だ」とからかわれれば、兄はすぐに飛びかかって殴り合いになった。

私が夜中に発作を起こせば、兄は私を背負って3キロも走った。

膝を擦りむいても、決して立ち止まろうとはしなかった。

あれほど、みんな私が死ぬことを怖がっていた。

それなのに、いつから、怖くなくなったのだろう。

母は霊安室のそばにうつ伏せになり、息もできないほど泣いていた。

「昔は、私たちが一番、栞を大切にしていたのに。

どうして、こんなことになったの?」

誰も答えられなかった。

たぶん、私
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