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70.愛の結末

last update publish date: 2026-09-28 10:44:00

「君があの全てを完璧にこなし、僕の心を掴んだリタだったんだね」

「…え」

ロイの言葉に、私は思わず固まった。

ロイが私の正体や事情を知っていたことについては、ユリウスから聞いていたので把握していた。

だが、その後に聞かされた部分については、全く知らない。

ーーーロイの心を掴んだリタ?

あの表情に、あの甘い声。

どう考えても〝僕の心を掴んだ〟とは、好きにさせた、と言っているようにしか聞こえない。

リタ代役時代、確かにロイに面白がられている、または退屈しのぎになると気に入られている自覚はあった。

だが、そこに〝好き〟だという感情は全くないと思っていた。

そもそもロイが誰かを愛せるとも思っていなかった。

この男には、まるで心がないように見えていたから。

「心を掴んだって…。興味を持ったとかですよね?」

「僕
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    「君があの全てを完璧にこなし、僕の心を掴んだリタだったんだね」「…え」ロイの言葉に、私は思わず固まった。ロイが私の正体や事情を知っていたことについては、ユリウスから聞いていたので把握していた。だが、その後に聞かされた部分については、全く知らない。ーーーロイの心を掴んだリタ?あの表情に、あの甘い声。どう考えても〝僕の心を掴んだ〟とは、好きにさせた、と言っているようにしか聞こえない。リタ代役時代、確かにロイに面白がられている、または退屈しのぎになると気に入られている自覚はあった。だが、そこに〝好き〟だという感情は全くないと思っていた。そもそもロイが誰かを愛せるとも思っていなかった。この男には、まるで心がないように見えていたから。「心を掴んだって…。興味を持ったとかですよね?」「僕の気持ちをわかっていて確認するだなんて、ステラもなかなか意地悪だね?」勘違いであってくれ、と祈りながらおそるおそるロイに確認した結果、私は撃沈した。わざとらしく恥ずかしそうに甘く笑うロイに、どうやら嘘はないらしい。どうすればいいのかわからず、気まずさもあり、ロイから視線を逸らす。「…ロ、ロイ様」するとこの場に弱々しいリタの声が静かに響いた。その声に、ここにいる全員がリタに視線を向ける。全員の注目を集めたリタの顔には、ステンドグラスから降り注ぐ光によって、深く暗い影が落ちていた。悲しみや嫉妬、悔しさなど。様々な感情が複雑に絡み合い、ミラディア帝国の美の女神と呼ばれるその美しい顔を歪めさせる。「ねぇ、ロイ様?アナタは私の婚約者ですわよね?私の未来の旦那様ですわよね?だからそんなどこの馬の骨かもわからない女に愛を囁く訳がありませんわよね?」

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    sideセスーーー幸せだ。少し前までも悪くはなかったが、今はもっと素晴らしい。さんさんと降り注ぐ太陽の光はまるで全てを祝福しているかのように心地よく、頬を撫でる温かい風はまるで誰かを愛し、愛される喜びを体現しているかのように優しいものだ。世界に溢れる何もかもが美しく、素晴らしいものだと感じられる。これも全てステラ様が俺という存在を認め、側に置くことを決めてくれたからだった。ステラ様の足が完治するまであと1ヶ月もないだろう。万全の状態になり次第、ステラ様と共に帝国外へと行き、新たな生活を始める。その為にもするべきことはたくさんあり、きっと準備してもしてもしきれないはずだ。だからこそ、今からでもできることをやっておく必要がある。ただでさえ忙しい日々に加えて、ステラ様との明るい未来への準備。ここ最近は多忙を極めていたが、それでも俺は幸せで幸せでたまらず、全く苦には思っていなかった。今日もステラ様に昼食を用意し、共に食べ終えた後、再びルードヴィング伯爵邸へと戻り、午後からの仕事をする。リタ様の午後からのスケジュールを把握し、完璧に立ち回る為に、予定表に目を通していた時、俺はある違和感に気がついた。「…」予定表に書かれている学院からの帰宅時間がどうもおかしい。ロイ殿下に注意されてから、リタ様は渋々学院に通っているが、それでも必要最低限だ。いつも午後から学院へ行き、2時間もしないうちにさっさと帰ってくる。授業も受けず、何もせず、本当にただ気まぐれに学院に顔を出しているだけなのだ。それなのに今日のリタ様の予定は違った。学院からの帰宅時間が18時と記載されている。リタ様は俺が昼休憩をしている間に学院へと向かった。その出発時間はおそらく13時くらいだろう。いつもとは明らかに学院への滞在時間が違う。…ご学友との時間を過ごす、また

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