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意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
Author: 藤永ゆいか

第1話

last update Last Updated: 2025-04-03 15:54:56

私の通う高校には、アイドル並みに人気の双子の兄弟がいる。

二人だけで、全校女子生徒のハートを鷲掴みにしてるんじゃないかってくらいの人気ぶり。

私、小嶋希空(こじまのあ)も彼らのファンのうちの一人だ。

お兄ちゃんである相楽陸斗(さがらりくと)くんは、少し癖のあるミルクティーブラウンの髪に、タレ目の二重の瞳と目元のほくろがチャームポイント。

弟である相楽海斗(かいと)くんは、染めていないサラサラの黒髪に、涼やかな切れ長の二重の瞳が印象的。

相楽兄弟は、双子でも顔は全然似ていないけど。

兄弟そろって目だけでなく鼻も口も整っていて、少女漫画のヒーローにも負けないくらいのイケメンだ。

おまけに成績も優秀で、陸斗くんはサッカー部、海斗くんはバスケ部で運動神経も抜群。

そして、兄の陸斗くんは私の好きな人でもある。

陸斗くんと初めて話した日のことは、今でも鮮明に覚えている。

あれは、今からちょうど1年前のこと。

高校に入学して間もない、4月のある日の放課後。

私は、担任の先生から授業で回収したクラスメイト全員分のノートを、教室から職員室まで運ぶようにと頼まれた。

「日直でもないのに、なんで私が……」

『小嶋お前、暇そうだから』って、先生ひどくない?!

そりゃあ今後部活に入る予定もないし、今日は学校が終わったら真っ直ぐ家に帰るだけだけど。

入学して早々に雑用を頼まれるなんて、ついてない。

「はぁ……」

クラスメイト40人分のノートを胸の前で抱えると、無意識にため息がこぼれた。

ていうかこれ、けっこう重い。その上、何冊ものノートを胸の前で抱えていると、目元が隠れてしまって足元がおぼつかない。

私は、足元に気をつけながらゆっくりと階段をおりていたのだが。

──ズルッ!

「きゃっ」

ふとした瞬間に足が滑り、体が大きく後ろにのけぞった。

うそ。おっ、落ちる……!そう思ったときだった。

「危ない!」

私は、後ろから誰かに抱きしめられた。

え!?

「キミ、大丈夫?!」

相手の人の両腕が、後ろからしっかりと私の腰にまわされている。

誰かが、助けてくれたんだ。

「はい、ありがとうございま……」

私は、助けてくれた人にお礼を言おうと後ろを振り返った。だけど、最後まで言葉を発することができなかった。

だって相手の男の子が、思わず息を飲むほどきれいな顔立ちをしていたから。︎︎︎︎︎︎

「怪我はない?」

にっこりと微笑む彼。

やわらかそうなミルクティーブラウンの髪が、窓から入ってきた風で揺れる。

「はい。おかげさまで大丈夫です」

「そう。なら良かった」

彼は私から手を放すと、階段に散らばったノートを拾い始める。しばらくそれをぽーっと見ていた私も、慌てて一緒にノートを拾う。

「これ、職員室へ持っていけば良いのかな?」

ノートの束を抱えた彼が、私に尋ねる。

「いや、でも悪いです」

「遠慮することないよ。クラスメイトなんだから、助け合うのは当たり前」

クラスメイト……こんなにもかっこいい人、同じクラスにいたんだ。

まだ入学して数日だから、クラスメイト全員の顔と名前を覚えていなかった私。

そういえば、入学早々女の子にキャーキャー言われている人がいたような気がする。

えーっと、確か名前は……そうだ。相楽くんだっけ。

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