Share

第3話

Author: 匿名
龍也は、まだ帰ってこない。

私は連絡もしない。

ただ、優香から送られてくるの挑発めいた動画から、二人の様子を知るだけ。

動画の中では、二人が楽しげに笑い合い、何気ない仕草の中にも親密さがにじむ。でも、私の心には、何の波風も立たない。

まるで、他人事のように、淡々と……

結婚式の準備を進めていた。

ただ一つ、変わったことがある。私が送り出した結婚式の招待状に記された「新郎」の名前。

もう、小川龍也じゃない。そこには、南秀康の名前と変えた。

「ねぇ、幸。新郎のところ、間違ってないよね……?」友人の声が、少し不安げに聞こえた。

「間違ってないよ」私は静かに、けれどはっきりと答えた。

「新郎、変更になったの。秀康は私の幼馴染だよ」

電話の向こうが、さらに驚いたのが伝わってきた。

「えっ?ちょっと待って!小川さんと喧嘩でもしたの?」彼女たちは、慎重に、恐る恐る聞いてる。

その声には、信じられないという気持ちと、どこか戸惑いが混ざっていた。

無理もない。私が龍也を好きだったことは、周囲の誰もが知っている。私は、彼のためならどんなに情けないことでもやってのけた。

でも愛されている方として、龍也は何も知らない。

いや、彼はずっと知っていたのかもしれない。ただ、気にしていなかっただけだ。

彼はいつだって、あの冷たく、自分自身だけを見つめる高嶺の花だ。

私が必死に努力して頂上まで登り詰め、そして惨めにも粉々に転げ落ちるのを、冷ややかな目で見ているだけ。

私は深く説明しようとせず、ただ笑って何も言わなかった。

友人たちは安堵の息をつきながら、それを単なる冗談と受け取り、からかいの言葉を投げかけてきた。

彼女たちにとって、これはカップルが軽口を叩き合い、お互いの絆を楽しむような、ごく普通の戯れに過ぎなかったのだ。

誰も、私が三年もかけて、必死にアプローチし、ようやく掴んだその人を簡単に手放せるとは思わない。

だからこそ、彼女たちは理解できない。どうして、私があっさりと「新郎を変えた」なんて言えるのか。

でも、彼女たちを責めることもできない。

だって、私自身も、その言葉を口にした時、ほんの一瞬に自分が誰なのかわからなくなった。

まさか、私が三年もかけて追い求めた男を、こんなに簡単に手放せる日が来るなんて。

でも、いいわ。

そうなったからこそ、龍也にも、このことは知られたくない。

この「冗談のような真実」が、彼の耳に入ることがない限り、私はもっと自由に、もっと冷静に、準備を進められる。

それから、約一週間後。龍也が、ようやく帰ってきた。

顔色は悪く、目の下には薄い隈ができていて、明らかに睡眠不足だった。

私は、彼の首筋にあるくちづけの痕を一瞬見つけ、すぐに視線を逸らした。

「お疲れさま」感情を込めずにそう言った。

彼は何も言わず、靴を脱ぎ、そのまま私の隣に腰を下ろし、複雑な眼差しを向けていた。

「何かあるの?」

私が聞くと、彼は少しの間を置いて、こう言った。

「うん。結婚式、延期したい……

先生が亡くなった。喪に服すのため、当分結婚はできない」

その言葉と共に、彼の目に、珍しく、申し訳なさそうな色が浮かんだ。

「幸、ごめんね」

私は、彼を見つめ返した。

なぜ、謝るの?

もしかして、この結婚が私の何年もの願いだったことを、彼も知っているから?

それとも、他の女と子供を作りながら、夫として、私に謝る義務があると思ったから?

わからない。でも、どうでもいい。

「うん、わかったわ。ご愁傷さま……」

龍也は、私の反応を見て、眉をひそめた。その目には、探究心とも、困惑とも取れる色が浮かんでいた。

どうして、こんなに平然としているのか、彼には理解できないようだった。

確かに、あの時、彼が優香のために子供を作ると言った時、私は怒り狂っていた。でも、今は静かだ。

彼はそれ以上、何も言わなかった。

ただ、すぐに次の言葉を口にした。「今日は、先生の葬式だ。一緒に行こう」

その口調には、命令が含まれていた。

相談ではない。選択肢もない。

でも、私は拒否しなかった。

あの恩師が、他人の婚約者に自分の娘のために子供を作れと命じたような人間だとしても、今となっては、彼に対して怒りを抱く気持ちは、ほとんどない。

むしろ、感謝さえしている。彼のおかげで、私は龍也の本当の姿を見ることができた。

これ以上、彼に縛られる必要は、もうない。
Continue to read this book for free
Scan code to download App

Latest chapter

  • 愛と別れのその先へ   第10話

    龍也は、私を一瞥すると、すぐに優香のお腹に視線を落とした。そして、覚悟を決めたように、優香の腕を取り、支えるようにしてその場を後にしようとした。去り際、私は気づいた。優香が、私に向かって警告するような鋭い眼差しを向けていたのを。まるで、「ここで動くな」とでも言いたげに。私は、それに対して、小さく笑って見せた。まさか、私がこの結婚式に乗り込んできて、彼女の結婚を台無しにしに来たとでも?バカみたい。そんな彼女の視線を、一笑に付すだけで十分だった。司会者の進行に従い、新郎新婦が壇上に上がり、式は滞りなく進んでいった。だが、宣誓のセクションに差し掛かった時、龍也が、神父の問いかけに、なかなか答えなかった。その視線が、ふと私のいる方向に向けられたのだ。その目には、言い表せないほど複雑な感情が浮かんでいた。優香の表情が、みるみるうちに曇る。「龍也君、神父様が、お尋ねになってるのよ答えて……」周囲の視線が、次第に龍也に集まっていく。そして、その視線の先にいる私にも、気づいた者たちが現れた。「あれ!あの人?もしかして小川さんの元カノ?」「いやいや、未練がましく……」そんなひそひそ話が、次第に大きくなって、私は、眉をひそめ、隣にいる秀康の手をそっと握った。「行こう。うるさすぎる」「うん、わかった」私は立ち上がり、壇上の龍也を一瞥することなく、秀康の手を引いて会場を後にした。だが、その時、誰もが予想しなかった出来事が起きた。龍也が、優香を突き飛ばし、舞台から飛び降り、私のほうへと駆け寄ってきた。「幸!待ってくれ!」私は眉をひそめ、足を止めることなく、その場を離れた。車に乗り込み、エンジンをかけた。後ろを振り返ると、龍也が必死に走って追いかけてくるのが、後ろのウィンドウ越しに見えた。「幸!俺は間違ってた!戻ってきてくれ!」彼の両目は真っ赤に充血しており、口からは心を引き裂くような叫び声を上げていた。秀康が、後ろのウィンドウに映る龍也を見て、肩をすくめた。「まじか!情けないな。ねぇ、慰めとかあげないの?」私は、彼を見て小さく舌打ちし、わざとらしくドアを開けかけた。「じゃあ、本当に行くよ?」すると、秀康は慌ててアクセルを踏み込んで、塵を上げずに走り去っていった。家に

  • 愛と別れのその先へ   第9話

    結婚式が近づいてきたある日、私は見知らぬ番号からの電話を受け取った。「もしもし?」電話を取るなり、電話の向こうから、抑えきれない怒りに満ちた声が飛び込んできた。「幸!お前は、今どこだ?別れようって、どういう意味だ?」龍也だった。私はスマホに表示された時刻を見て、ふと思った。ああ、もう半月以上経ってるんだ。彼はようやく、私のことを気にかけたのか。それとも、ようやく私が冗談で言っていないことに気づいたのか。でも、私は何も言わなかった。ただ、通話を切ると同時に、その番号をブロックした。もう、終わりだ。その後、秀康と、無事に結婚式を挙げた。披露宴の最中、私の指に指輪を嵌めるその瞬間、秀康は子供のように泣き出した。「愛してるよ。本当に、ずっと前から愛してた。この日を、ずっと待ってた」涙で頬を濡らしながら、彼はそう呟いた。その言葉と涙が、私の胸に突き刺さるように響いた。私は少しだけ身を乗り出し、彼の唇にそっとキスをした。「秀康、これからの人生、よろしくね」「ああ、よろしくな、幸」その瞬間、私は本当に幸せだと思った。……結婚式が終わった後、私はスマホを手に取ると、そこには、見知らぬ番号からのメッセージが、何十条も届いていた。【渡部幸!どうして他の男と結婚した?!】【今すぐ家に帰れ!許してやる!】……【ごめんね、幸。俺が悪かった。戻ってきてくれないか?】【お願い、誰とも結婚しないで。俺と、もう一度やり直そう】それらの文字を静かに読み進めた後、表情一つ変えずに、その番号もブロックした。その後、友人から龍也のことを聞いた。彼は私の行方を必死に、狂ったように、長い間に探し続けていた。でも、私は感動などしなかった。ただ、おかしく思っただけだ。私は彼と長い年月を一緒に過ごし、彼のために実家を離れ、それなのに、彼は私の出身さえ、すっかり忘れてしまっていた。「小林優香は妊娠したんだって。来月には、二人で結婚式するらしいよ」「そうか」適当に返事をして、電話を切った。龍也とはもう二度と関わることもないだろうと思っていた。まさか、彼が友人に頼んで、私に招待状を送らせるとは思わなかった。それを一瞥しただけで、ゴミ箱に投げ込もうとした。だが、秀康がそれを素早く奪い取っ

  • 愛と別れのその先へ   第8話

    龍也がそのメッセージを見た時、どんな表情をするのか?どんな風に感じるのか?私は、分からなかった。メッセージを送信したその瞬間、迷わず彼をブロックし、彼を連絡先から削除し、そして、そのまま空港へ向かい、実家への飛行機に乗り込んだ。空港を出ると、私はすぐに路肩で待っている秀康の姿を見つけた。変わっていなかった。相変わらずの黒いコートを着て、くっきりとした顔にサングラスをかけ、個性的で派手だった。その姿は、通りすがりの女性たちの視線を自然と引き寄せていた。ああ、やっぱり彼は、魅力的だな。私の姿を認めた瞬間、彼は大きく手を振り、嬉しそうにこちらへ駆け寄ってきた。口を開く間もなく、彼は両腕を広げて、大きなハグをしてくれた。「ブラザー!」私は彼の突然のハグに驚いて、反射的に肩を押し返した。「ちょっと!人前でそんな呼び方しないでよ!」「えっ、なんで?昔からそう呼んでるだろ?」秀康は慌てて手を離し、私の顔色を伺う。「ごめん、つい……」彼は言葉に詰まり、ちょっと舌を出してごまかすように笑った。「わかったわかった」彼の気まずそうな様子を見て、私は思わず首を振った。でも、深くは気にしなかった。車に乗り込みながら、私は尋ねた。「ねぇ、一人で来たの?両親には、話したの?」「当たり前だろ?嫁を迎えに行くっていう一大事だぞ!家族にはちゃんと報告してきたさ」私は思わず咳払いをして、口にした。「どうして?」「何が?」彼は前を向いたまま、少し頬を赤らめながら答えを濁した。でも、その耳の先が、ほんのりと赤くなっているのを見逃さなかった。私は身を乗り出し、小声で聞いた。「もしかして、私のことが、好きだった?」一瞬、車内の空気が止まった。秀康の顔が、見る見るうちに赤くなっていくのが、はっきりと見えた。彼は慌ててブレーキをかけ、車を路肩に寄せた。そして、真剣な表情で私を見つめ返してきた。「ええ、好きだよ」その言葉に、私は逆に驚いて、思わず咳払いをした。「ちょ、ちょっと!いきなりそんなこと言わないでよ!」「はは、臆病だな、お前は」彼は小さく笑いながら、そう呟いた。私は彼の横顔をじっと見つめ、ふと笑みがこぼれた。こんな気持ち、何年も味わっていなかった。楽しくて、少しだけドキドキして、心も、軽くなる。

  • 愛と別れのその先へ   第7話

    秀康とベランダで、およそ30分ほど話をした後、部屋に戻った。すると、優香はまだ帰っておらず、ソファに腰を下ろして龍也と何か話をしていた。私の姿を見るなり、龍也の顔に浮かんでいた微笑が、一瞬で消えた。その代わりに浮かんだのは、冷たく、鋭い視線。「お前、何か説明しないつもりか?」私は眉をひそめ、彼を見返した。「何を?」「あいつに、なぜあんな風に変なニックネームを?」彼の口調には、明らかな質問……いや、非難が含まれていた。不満、怒り、そして、どこか苛立ち。私は少し驚いたように彼を見つめ返した。彼はいったいどの立場で、私にそんなことを聞くのだろう?私が誰かにニックネームを付けたことよりも、彼が優香と子どもを作ることのほうが、よっぽど変な問題だというのに。でも、今はそんなことで言い争いたくもなかった。私は肩をすくめ、適当に流した。「ただの冗談よ」龍也の表情は、まだ晴れなかった。「早く直ろう。他人が見たら、どう思うと思ってるんだ?」私は素っ気なく頷いた。それで、ようやく彼の表情が少し和らいだ。その様子を、ソファに座っていた優香が、じっと見ていた。その目には、一瞬、憎しみにも似た感情が浮かんでいたのを、私は見逃さなかった。そして、龍也が何かを言いかけた時に、優香が、突然口を開いた。「龍也君、幸さん、そろそろ外食に行かない?この間に、私のことを助けてくれたお礼も兼ねてね」その言葉を聞いた瞬間、私は彼女の意図を悟った。明らかに、私を挑発しに来たのだ。首を横に振った。荷物の整理で忙しいし、彼女の「夜間ドラマ」に付き合う気はない。でも、優香は、私の拒絶を予想していたかのように、すぐに涙目になって見せた。「幸さんは、私のことを、ずっと嫌ってたの。私は知ってるよだから、ご飯をご馳走するのも、お詫びだと思って……もういいや。私が悪かった。ごめんなさい、私はやっぱり帰るわ」そう言うと、彼女は立ち上がり、帰ろうとした。すると、龍也すぐに彼女を引き留め、その視線を私に向けて睨みつけた。「お前、もう少し大人しくできないのか?ただの食事だろう?それに優香がご馳走してるんだ。顔を立てるんだから、それを無下にするな!」私は、冷たく彼を見返した。「私は、何も言ってないわ。それに、食事に誘うのに、

  • 愛と別れのその先へ   第6話

    龍也の顔色が、一瞬で変わった。スマホをひったくるように奪い取り、画面を見た彼の表情が、たちまち鉄のように青ざめた。「渡部幸(わたべ さち)!こいつは、誰だ?」私は、何も説明しなかった。ただ彼のその様子を見つめて、少しだけ驚いた。怒り?嫉妬?こんなに長い間に、私は彼の顔にこんな表情を見るのは初めてだった。彼は、何に対しても冷めている。何に対しても、無関心だ。でも、今になってみると、そうではないようだ。どうしてだろう?彼は気にしていないんじゃないの?大学時代、ある先輩から告白されたことがあった。ちょうど龍也に見つかってしまったけれど、彼は全く動じなかった。平然として、いつもの無表情で、ただ黙って私を見ていた。その時、私はふと思った。彼は、本当は私のことなんて、そんなに好きじゃないのかもしれない。あるいは、彼の性格はそもそもそんなに淡々としているのかもしれない。だから、嫉妬もしない、未練もない。愛も、ないのかもしれない。なのに、今、なぜ彼は嫉妬しているの?私は、静かにスマホを取り戻し、穏やかに言った。「ただの冗談よ」龍也は、眉を寄せた。そして、何かを思い出したように呟いた。「……あの南秀康か?まだ連絡取ってるの?」「うん」その時、優香が首を傾げながら聞いた。「南秀康って?誰?」龍也は何も答えなかった。ただ、じっと私を見つめ続けていた。スマホを手に、彼の視線を無視して立ち上がり、ベランダへ出た。まあ、いいや。彼がなぜ急に嫉妬したのか、もう知りたくもなかった。多分、秀康が何か用事があってかけてきたのだろうと思って、電話をかけ直した。でも、電話が繋がるなり、秀康の声が飛び込んできた。「ちょっと!なんで電話に出ないの?わかってるかい?その一分間で、俺はもう十三回も『捨てられた』シナリオを考えちゃったのよ!今、超傷ついてるぞ。だから、すぐに慰めて。美食を奢ってもらうよ!お好み焼き、すき焼き、肉じゃが、焼肉……全部ださ!」私は、口を挟む間もなく、おごり債が三十回以上も彼にできてた。「ちょっと、本題に入らないと、電話切るから」「え!ひどいよ!」秀康が不満そうに呟いた後、少し真面目な声で聞いてきた。「ねぇ、俺のこと、本当に結婚してくれるよね?」私は、思わず笑ってしまった

  • 愛と別れのその先へ   第5話

    優香の母親の顔色がさっと曇った。確かに自分の娘の味方ではあったが、こんなことはやはりあまり立派なものではなかった。彼女が何か言うのを待たずに、龍也はすでに決断を下していた。「お前、タクシーで帰れ」そっけない一言。優香は、そっと私のほうを見た。その目には、はっきりとした嘲りの色が浮かんでいた。ほんの一瞬、唇が皮肉っぽく持ち上がった。それから彼女は、ゆっくりと車の窓を閉めた。白い息を吐いて走り去った車を見て、私は、驚きもしなかった。そういう龍也だ。優香の気持ちを優先するために、私をどこまでも後回しにできる。そして、それを当然だと思っている。空は皮肉屋のように、ぽつりぽつりと雪を降らせはじめた。小さな粒が、次第に地面に白いベールを広げていった。私はその雪を、ひらりと手で掴んだ。かじかむほど冷たい。けれど……その冷たさは、胸の奥の何分之一も冷たくない。家に帰ると、龍也が荷造りをしていた。私が玄関から入っても、彼は振り向きもせずに言った。「優香は最近気分がすぐれないんだ。しばらく、俺がそっちに付き添う。お前はこの間、バスで会社に行け」私は何も言わず、気にも留めなかった。優香の気分を取り戻すために龍也は、私を放ったままで、彼女のもとに行くと決めたのだ。私は何も聞かなかった。彼も、何も説明しなかった。ただ荷物をまとめて、家を出ていった。それから、一週間、龍也は帰ってこなかった。メッセージも、一つもない。でも、私は知っていた。彼が今、何をしているのかを。優香が、私に教えてくれたから。動画も、写真も、連発で送られてくる。それを見ているうちに、私が龍也には、こんな一面があったんだと。彼は愛し方を知ってる人なんだ。ただ、人によるだけ。彼は優香のために、料理を作る。エビの殻を丁寧にむいてあげたり、プレゼントを選んだり。遊園地にも、観光地にも、彼女を連れていく。全部、私が昔、彼に「一緒に行きたい」と頼んだことばかり。でも龍也は「つまんないだろ」って、ずっと断っていた。特に気にしていなかったが、送ってきた動画や写真は、無言で保存していっただけ。そして、自分のことの処理を終えた後、私は会社に退職届を出した。友人たちは、呆然とした表情を浮かべた。「え?どうして

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status