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※今夜はどうぞよろしく…ついにローランドと?

Author: Kaya
last update Last Updated: 2025-08-10 20:21:00

 誰かから大切にされるっていいな。

 私も誰かにそうされたい人生だった…………

 「アデリナ。信じてくれるかは分からないが…

 私にとってお前は大切な存在なんだ。

 心から————」

 ◇

 あれからさらに、どれくらい時間が過ぎたんだろう。

 暖炉の火の勢いが弱まってきているのに、私達は全く寒くなくて、むしろ熱く火照っていた。

 今何時くらいだろう?

 カーテンの隙間から赤い日差しが漏れている気がするのは…気のせい?

 「っ、はあ……っ、アデリナ。

 身体はきつく、ないか?」

 「ん、っ、ローランド、あ、あのっ、そろそろ止めた方がいいんじゃないかなと……」

 やばい。声が枯れてるし、体がもう限界を超えている気がする。

 なのにローランドは、本気で申し訳なさそうな顔をしながらもやめてくれない。

 ……こんなに優しいローランドの描写はなかったよねって、思った私がバカだった。

 「……すまない。アデリナ。けどあと少し。

 もう少しだけ。」

 吸い付くようなキスを背中に落とし、ローランドはまだ動き続ける。

 「ろ、ローランド……ま、待っ…」

 確かに熱は出なかったよ?

 でも……ローランドが元気すぎる!!!

 アデリナパパが持ってきた秘薬のせい?

 これ、一体どうしてくれるの……!!!

 「アデリナ、逃げるな。もう少し、だけ。」

 ………い、いや。優しいなんて誰が思った?

 意識がぶっ飛びそうになりながら、ステータスを確認してみる。

 [ローランドの状態▷ア

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