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軍事力ゲット!…って何で不機嫌なのよ?

Author: Kaya
last update Huling Na-update: 2025-07-31 19:02:00

 ◇◇◇

 「俺はアデリナ・フリーデル・クブルクに忠誠を誓うぜ。」

 レェーヴは片膝を突き、まるで物語に出てくる騎士の誓いの様に、私の掌にキスをした。

 「だから……アデリナから離れろ……!」

 ちょっと。何でルナールじゃなくて、その兄であるレェーヴが私に忠誠を誓ってるの?

 それに何でローランドはそんなに怒ってるの!

 東部地方の問題が解決した上に、ルナール一味が今後、私達の味方をしてくれると言っているんだよ?

 なぜかローランドじゃなくて、私に忠誠を誓って掌にキスしてくるレェーヴは、ちょっと何やってるのか分からないけど。

 なんせルナール率いる一味は、クブルクの一軍にも匹敵する規模の山賊で、山での戦いを得意とする武力集団だ。

 それが今後クブルクのために働くって言ってくれてるんだから。きっと東部地方の鉄壁な守りになってくれる。

 こんなに心強い味方はいないよ?

 確かに私が勘違いして、一緒にベッドに横になるというハプニングはあったけど…

 結果的には何もなかったんだから!

 ………だから、ちょっとは仲良くしてよ!!

 あの騒動の後、私達はフィシの城でフィシの代理者と面会した。

 なるほど確かに本物のルナールは、レェーヴと同じ髪色をしていた。

 男装しているけれど肩幅は小さく、小柄で顔は小さくて中性的。よく見たら完全に女性!

 くっ……!騙された。

 この原作小説に何度騙されたことか。

 もう迂闊になんでも信じない方がいいみたい。

 フィシの腹違いの弟で、腹心のアルバは私達に会うなりすぐに謝罪した。

 「兄の不祥事を兄だけの処罰に留めて下さり、クブルク王陛下、ならびに王妃陛下の寛大なお心遣いに感謝致します。

 我々はこのメレフ一帯、及び鉄採掘場の所有権をルナールに明け渡します。

 ここは元々彼らの土地でしたし…
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