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第6話

Author: かもよ
大体で二週間ほどが過ぎ、美雨は七回目の修正型電気けいれん療法を終えた。

最近の彼女は多くの人や出来事を忘れてしまった。冬真がわざわざ言わなければ、目の前の人物が自分の夫や息子だとすら思い出せない。

新しく買った家もほとんど片付き、すぐに住める状態になっていた。

彼女はけじめをつけるつもりで、今夜は最後に彼らと一度だけ食事をして、すべてを終わらせることにした。

しかし意外にも、冬真と晃宇は今夜、彼女のためにご馳走を作ると言い出した。

彼女が茫然とした表情をしているのを見て、冬真は愛情に満ちた眼差しで彼女の額にキスをした。「いつもお前ばかり疲れているんだから、たまには俺たち父子で頑張らないとね」

そう言うと、二人でキッチンに立った。

三時間かけて完成した料理は、すべて彼女の好物ばかりだ。

食卓では父子が代わる代わる皿から料理を取り分け、碗に入りきらないほど盛ってくれる。

彼女はただ茫然とその光景を眺めた。

「何か言いたいことがあるんでしょ?」

冬真は気まずく言葉に詰まり、晃宇が待ちきれずに口を開いた。「ママ!僕とパパ、茜おばさんと一緒に山にキャンプ行きたいの!一晩泊まって星を見るの!ママならきっと許してくれるよね?」

なるほど、今夜のご機嫌取りの理由はこれか。

最後の食事は思ったほど楽しいものにはならなかった。

冬真は彼女の手を握り、柔らかい声で言った。「一緒に行こうよ」

美雨は笑わず、さりげなく手を引いた。「家でテレビ見たいの。あなたたち三人で行ってきて」

冬真が何か言いかける前に、彼女は先に続けた。「もし気が咎めるなら、お金を少しちょうだい。バッグを買いたいから」

これからの生活のために、彼女は金が必要だ。

冬真はあっさりと承諾し、一千万円のカードを渡した。

美雨はそれを受け取った。

彼女が同行しないことに、冬真と晃宇はむしろ安堵したようだ。

おそらく罪悪感からだろう。その後、冬真は絶えず彼女に気を遣い、過去のあれこれを一緒に振り返ってみせた。

「遠距離恋愛の頃、節約するため、毎日カップ麵と漬物だけ食べてた。そして、切符を買って、お前に会いに行ったな。あの切符、積み重ねたら、晃宇の背丈くらいあったんだ。

それに、冬のころ、美雨が俺のセーターを編むために、手があかぎれだらけになってたよね。あのセーターは、誰に会っても自慢して見せていたんだ。もちろん、正月以外は大事にしまってたんだよ」

美雨は聞きながら、頬に手をついてそのまま眠ってしまった。

冬真は突然言葉を止め、緊張した様子で彼女に尋ねた。「どこか具合が悪い?なんでこんなに眠そうなんだ?」

美雨は正直に答えた。「ただ退屈なだけ。私と関係ない話を延々聞いてたら眠くなったの」

冬真は一瞬、どんな表情をすればいいかわからず、やがて声に責めるような響きを混ぜ始めた。「どうして忘れるんだ?あんなに幸せだったのよ。俺は全部覚えてるのに、お前は思い出せないのか?」

彼の焦燥は、まるで火山が噴き出す前のざわめきのようだ。

なぜ彼女は、二人が愛し合った証拠を忘れてしまったのだろう?

彼女は淡々と立ち上がった。「年のせいかも。忘れたならそれでいいでしょ。先に休むわ」

彼女が部屋に入ると、冬真は晃宇にテレビの音を小さくするよう言った。

彼女が最近疲れていたせいで、忘れたのかもしれないと彼は思った。

明後日のキャンプから戻ったら、彼はちゃんと話を聞き、彼女を連れ出して気分転換させてやろう。

だが彼は知らない。

その頃、ベッドに横たわった美雨は、すでに明日荷物を運び出す車を手配していた。

二人が出かけたら、彼女は離婚協議書を置いて、家を去るつもりだ。

彼女はもう過去に未練はない。

彼女の心は、一人きりの新生活に向いていた。

そして翌日、キャンプへ向かう車の中で、冬真はどうにも落ち着かない。

心臓の鼓動が乱れ、不吉な予感が全身を包んでいた。
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