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第1279話

مؤلف: 楽恩
「もう見ないで」

そう言って紀香は部屋を出ようとした。実咲を探して、義援金の件を相談するつもりだった。

それから現地にも行って、写真を撮ってニュース報道に提供したいと考えていた。

だが、清孝は彼女を行かせなかった。

「これ以上やるなら怒るよ」

名残惜しそうに、ようやく彼は手を放した。

紀香は言った。

「私を口説くのはあなたの役目よ。少し心を許したからって、私の方からあなたに合わせて回るんじゃないってこと、分かる?」

清孝はうなずいた。

「分かった」

紀香は言った。

「まずはしっかり治療に専念して」

そう言って病室を出て、実咲を連れて現場へ向かった。

だが、彼女の表情は晴れなかった。

「怖かったでしょう?まだ慰めてもいなかったのに。もし体調が悪いなら、無理して来なくてもいいのよ。病院で検査して、しっかり休んだら?」

実咲は首を振った。

「確かに怖かったけど、だからって何もできなくなるほどじゃない」

紀香はふと何かを思い出した。

「……まさか、兄のこと?」

昨夜、実咲と腹を割って話したとき、彼女がまだ駿弥を好きだと口にしたのを確かに耳にした。

そして、もう他の誰かを好きになれることはないと。

自分と同じように、ただ一人だけを想い続けている。

似ている人が現れても、心は動かない。

「実咲ちゃん、お兄ちゃんは政略結婚なんて必要ないんだから。どうしても諦められないなら、思い切って告白したら?

たとえ断られたとしても、勇気を出したなら後悔はしないでしょう」

だが、実咲は首を横に振った。

「お兄さんが私を好きじゃないのは分かってる。無駄なことはしたくない。

それに、男がいなくたって死ぬわけじゃない。しっかり稼いで、ちゃんと生きる。それが私の人生よ」

恋愛のことは、他人があまり口を出すべきではなかった。特に、薄い膜を破っていない関係では、余計にこじれるだけだ。

「あなたが幸せなら、それでいい」

……

専属秘書が「奥様は仕事に行っただけで、もう済んで帰る途中です」と報告しても、清孝は素直に横になって休もうとせず、わざわざ病室の入口で待っていた。

紀香は、彼が自分のせいで安静を守らないのを恐れて、仕事を終えるとすぐに病院へ戻ってきた。

足取りは自然と早まっていた。

だが、思いがけず楓と鉢合わせた。

「香りん」

紀香
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