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第1389話

Author: ラクオン
けれど清孝の胸の奥には、どうしても消えない疑念が残っていた。

ずっと職業病みたいなものだと思っていたが――今になって気づいた。

これはひょっとすると祖父からの、もう一つの「警告」なのかもしれない。

そんな人物が桜坂家にいて、しかも家を揺るがすほどの存在だとは。

考えれば考えるほど、常識では測れないことだった。

「大丈夫だ。俺を信じろ、な?」

紀香は身を翻し、彼を抱きしめ、顔を肩に埋めた。

清孝は背を軽く叩き、言葉のない慰めを与えた。

やがて彼女が眠ると、彼は静かにスマホを手に取り、ベランダに出た。

父親に電話をかける。

「珍しいな」清孝の父の声が響いた。「でも……こんな夜中に電話とは、何かあるんだろ」

清孝は煙草を指に挟んでいたが、火は点けなかった。

正直、自分でも答えが出せないままだった。

時には、知らないままの方が幸せということもある。

「父さん、桜坂家のことを知っているのか?」

清孝の父は一瞬黙り込んだ。

「お前、祖父さんと桜坂家のことを聞きたいのか?」

「うん」

「一つ忠告だ。お前の祖父の代のことは、知る必要なんてない。お前たちには関係ないし
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