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第1394話

Author: ラクオン
清孝は彼女の手を軽く叩いた。

「食事の準備ができてる」

紀香は彼の背中に顔をすり寄せた。

「清孝、子どもを一人作ろう」

男の体が一瞬固まった。

「……なんだって?」

紀香は一度しか言う勇気がなかった。彼を離して尋ねる。

「今日のご飯、なに?」

清孝の耳は敏感だ。だがその言葉には触れず、彼女の質問に合わせた。

「君の好きなものばかりだ」

食卓に並んだ料理を前に、清孝は彼女のために卵をむき、魚の骨を取り除いてやった。

二人は多くを語らなかったが、数日前のぎこちなさは薄れていた。

「食べ終わったら、何をしたい?」

紀香は少し考えた。

「特にやりたいことはないかな。撮影は……この季節に必要なものは全部終わらせてある。

それより、私の助手であるあなたの仕事はどうなの?」

清孝は言った。

「仕事はあるけど……今の君の状態じゃ、撮影に出るのは適さない」

紀香は時間を計算した。

「もうすぐお正月だよね。私たち、一緒に過ごすのは四年ぶりだな」

「どうしたい?」清孝が尋ねた。

紀香は言いよどんだ。清孝が促す。

「桜坂家で過ごしたいのか?」

「行きたくない……」
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