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第57話

作者: ラクオン
子供のために。

そして、自分自身のためにも。

来依は、私を説得しようとはせず、ただこう尋ねてきた。

「……もしダメだったときのこと、ちゃんと考えてる?」

「うん、考えてる」

もし全てが思い通りに進まなかったとしたら、私は、静かにこの場所から姿を消すつもりだった。

この子を失わないために、何よりもまず、それを最優先にして。

そう決めた瞬間、もう家に帰って夕飯を作る気力なんてなかった。

マンションの近くで適当にラーメンを食べて、帰宅してすぐにソファに沈み込んだ。

宏が帰ってくるのを待ちながら、膝の上にノートパソコンを広げて、仕事に没頭する。

だけど、どれだけ時間が経っても、玄関が開く気配はなかった。

しびれを切らして、私は彼にメッセージを送った。

「もうすぐ帰ってくる?」

……けれど、いくら待っても既読がつかない。

どんな急用が入ったというの?

来依からは、会社で何か起きたなんて話は聞いていなかった。

秋は日が短い。五時には、もう夕陽が窓辺を染めていた。

オレンジ色の光、揺れるカーテン。外から吹き込む風の音に、胸が妙にざわついた。

不意に、ひとりきりのこ
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ロックされたチャプター
コメント (1)
goodnovel comment avatar
yas
あーあ……… せっかくもう一度信じてみようって思ったところだったのに……
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