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第551話

Author: 森の小鹿
充の顔が一気に険しくなった。

「……」

奈緒はそんな充をまっすぐ見つめる。

「引き延ばすのが好きなんでしょ?だったら付き合ってあげるから、どっちが先に根を上げるか、最後までやってみようよ。

充、あなたが400億円の借金を作るなら、私は800億円作ってもいい。どっちが最後に相手を巻き込むか、勝負しよう。

だって、あなたに向ける情けは、もう全部使い果たしたから」

それだけ告げると、奈緒は席を立ち、そのまま店を出ていった。

充は呆然と取り残された。奈緒の言葉の意味が分かったような、分からないような……頭の中では耳鳴りが続き、胸には言いようのない息苦しさが広がっていく。

仁哉もすぐに立ち上がった。店を出る直前、一度だけ足を止めて充を振り返る。

何か言いかけたものの、結局は小さく首を振っただけで、そのまま外へ出た。

もう仁哉でさえ、充に何を言っても無駄だと思っていた。

まして奈緒なら、なおさらだった。

奈緒は振り返ることなく、足早に店を離れた。あと少しでもこの場所にいたら、息ができなくなってしまう気がする。

仁哉は奈緒に追いつくと、先回りして助手席のドアを開けた。

奈
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