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第555話

Author: 結奈々
時也は一瞬言葉に詰まった。

そうだよな?

遥真が盗み聞き好きなのなんて、今さら知ったことじゃない。「金返せ!」

時也は迷わず慎吾に手を差し出した。表情は少し怖い。

慎吾は言った。「出ていったお金は、もう戻ってきません」

時也「?」

恭介「?」

慎吾は真面目な顔で説明した。「水と同じです。一度流れたら終わりですから」

時也は奥歯をギリッと噛んだ。

絶対に、こいつ以上に腹の立つボディーガードを見つけて仕返ししてやる。

「お二人が社長に話したことを、遥真さんに知られても構わないんですか?」慎吾は頭の回転が異様に速かった。

「どうしてもこのお金を返せと言うなら、俺の社長がここに残った理由を遥真さんにお話しするしかありませんね、社長が残ったのは、お二人が……」

「返さなくていい」時也は、慎吾が最後まで言い切る前に遮った。「持ってろ。好きに使え」

慎吾の表情はまったく変わらなかった。「承知しました」

三人がそんな騒ぎを繰り広げていることを、当事者たちは知らない。

遥真は何度も柚香に話しかけようとした。

だが、彼女は少し時間が空くたびにスマホで返信し、三十分おきに電話
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