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last update Terakhir Diperbarui: 2025-09-11 06:00:05

 翌日。いつもと変わらない朝を迎えた。蓮司は朝から始まるモーニングビジネスニュースを見て、経済の動向について考えている。本部長のポストともなれば、世の動きをきちんと把握し、クライアントの要望に応えることも必要ってことか。大変だなぁ。

 蓮司はいまだに謎な人物。

 でも、妙にドキドキするようになってしまった。まだ新婚生活、1週間しか経ってないのに!

「朝食、できました」

 お母さまにツラツラと『こんなもの夫に食べさせますがなにか?』的に偉そうに言っちゃったけど、栄養のバランス考えて作るだけでいいのかな。特に文句も言われないし、大丈夫だとは思うけど…。

 しかも、もともと食べていなかった謎の食生活していた人だから、お母さまにとっても私の存在は安心できるものになっているはず!

「ありがとう」

 今まで会社では、冷徹で笑ったとこなんか見たことないし、無表情男で表情筋をどこかに失くしてきたのだと思っていたのに、ふわっと笑うようになった。

 くっ…無駄にイケメンだからキュンとしちゃうのよ。

 蓮司にときめくなんて、私としたことが!

「少し前に作ってくれた玉子焼き、あれは悪くなかった」

「食べたいのですか?」

「あ…いやまあ…そうだな」

 そしてわかりにくいのかと思いきや、意外にわかりやすい男。

『悪くない』=『好物だ』ってことね。りょーかい。

「今日はご飯と焼き魚と味噌汁にしました。玉子焼き、すぐ作りますから先に食べていてください」

「いいのか?」

「もちろんです」

「じゃあ、頼む」

 そして意外にちゃんとおねだりしてくれる。

 欲しいものは欲しいと言ってくれるから、わかりやすくていい。

 いちいち前の夫と蓮司を
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